女性管理職の割合は過去最高も課題が残る
最近の調査によると、企業内の女性管理職の割合が過去最高となったことが明らかになりました。その一方で、昇進意欲や人材の確保など、依然として克服しなければならない課題も数多く存在しています。本記事では、この調査結果を基に女性管理職の現状と今後の方向性を探ります。
調査の概要
株式会社帝国データバンクが実施した調査は、全国2万6,196社を対象としており、女性登用に対する企業の見解を把握するために行われました。この調査は2013年以降毎年実施されており、今回で13回目となります。調査期間は2025年7月17日から31日まで、インターネットを通じて行われました。
女性管理職割合は最高の11.1%に
調査結果によると、女性管理職の割合は平均11.1%で、過去最高を更新しました。しかし、前年と比較しての上昇幅はわずか0.2ポイントと、やや鈍化した形です。具体的には、管理職が全員男性である企業の割合は依然として42.3%にのぼります。政府は女性の管理職が30%程度になることを目指していますが、その達成状況は依然厳しいと言えます。
女性役員の割合も過去最高
女性役員の割合も過去最高の13.8%に達しました。しかし、役員が全員男性である企業は52.1%と、まだ半数以上を占めています。この現状からも、女性の役員が増えることがいかに重要であるかが伺えます。
企業の取り組み
調査によれば、多くの企業が「公平な評価」を重視しており、60%以上の企業がこの方針を採用しています。また、男性育休の取得率も上昇傾向にあり、企業の取り組みが着実に進んでいることがわかります。しかし、企業間の格差が顕著で、中小企業では人的余裕がないため、育児休暇取得の制度を十分に運用できない現状もあります。
男性育休取得率が20%に
男性の育休取得率は平均20.0%となり、前回の調査から8.6ポイントも上昇しました。ただし、この上昇は大企業で顕著であり、中小企業ではまだまだ低い水準にとどまっています。特に300人以上の規模の企業では取得率が高い傾向にあり、人手不足を解消するためには、男女共に育休を取りやすい環境を整える必要があります。
課題と今後の展望
調査の結果、女性管理職の割合が過去最高を記録したものの、昇進意欲が低いことや、家庭と仕事の両立が困難であるとの声が多く寄せられました。さらには、適切な女性人材の確保や、男女平等な評価が実現されていない企業も見受けられます。特に、規模の小さい企業では育児休業制度の運用が難しいとのコメントも多く、本格的な改善には時間がかかると考えられます。
結論
女性の社会進出をさらに促進するためには、柔軟な働き方を提供し、男女間の賃金格差を解消することが急務です。企業はもちろん、政府も助成金制度や支援策を強化し、家庭と仕事を両立しやすい環境を整えることが肝要です。ユーザーに対しても、企業の姿勢や取り組みについての情報提供を行い、さらなる進展を期待したいところです。生産年齢人口が減少する中で、女性の潜在的な労働力を活用することは、今後の労働力不足の解消にとって、非常に重要なテーマとなるでしょう。