伊勢志摩地域の新たな観光プロジェクト「iseshima connect」発足
公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構は新たに、伊勢志摩及び周辺地域を対象にした「iseshima connectプロジェクト」を発表しました。このプロジェクトは、高付加価値の旅行者をターゲットにした新たな観光プランや体験コンテンツの開発、地域連携、情報発信を強化することを目的としています。
プロジェクトの背景
このプロジェクトは、伊勢志摩の豊かな歴史や自然、文化を旅行者に深く体験してもらうための新たな仕組みを整備することを目指します。観光促進が進められている全国の状況において、このプロジェクトは地域住民や地元企業、自治体と連携し、単なる観光振興を超えた新たなアプローチを実施するという特異な点があります。
この新しい観光地づくりは、観光消費の拡大だけでなく、地域事業者の連携や雇用創出にも貢献することを可能にします。観光を核としたこのプロジェクトは、地域経済の循環を実現し、持続可能な観光地づくりのモデルとして機能することが期待されています。
具体的な取り組み
プロジェクトには複数の特徴的な取り組みがあります。その一つが、異業種との協働を促す「脳動ゼミ」の開催であり、参加者には地域の魅力を体験し、新たな観光コンテンツ創出に貢献するよう呼びかけています。また、高付加価値ガイドの育成や、宿泊施設の経営力強化に向けた支援が行われ、地域の魅力を高めるための基盤が整えられます。
さらに、県内外の観光業者や漁業者など、さまざまなバックグラウンドを持つプレイヤーとの結びつきを強める取り組みも進行中です。これにより、地域内の課題や資源を起点にした共創型のワークショップが開かれ、地域と密に連携した環境が整備されます。
アンケート結果から見える現状
プロジェクトの背景には、インバウンド観光客に対するアンケート調査があり、64%の回答者が「伊勢志摩地域についてよく知らない」と回答しています。この数値は、国内外に向けた情報発信の重要性を示唆しています。一方、再訪問意向については85%が「非常に満足」と答え、伊勢志摩の美しい自然や静けさ、混雑のなさなどが評価されています。
国際発信を強化
このプロジェクトでは発信力を強化すべく、アメリカ、フランス、オーストラリアなど欧米を中心とした海外へのイベントの開催や、ファムトリップなどの施策を展開しています。例えば、米国サンディエゴでのイベントでは、現役の海女が真珠や海女文化について語ったり、地域の特産品を用いたワークショップが開催されるなど、伊勢志摩の魅力を直接伝える機会が作られています。
持続可能な観光地づくりを目指す
このプロジェクトを通じて、伊勢志摩は単なる観光地としてだけでなく、人々が深く探求し、快適に過ごせる場所としての魅力を再定義します。観光収益を地域経済に持続的に波及させ、しかし観光による負担を軽減することで、持続可能な観光業の確立を進めます。
こうした取り組みが進む中、伊勢志摩の魅力が国内外の多くの人々に伝わり、地域経済の活性化に寄与することが期待されています。今後の「iseshima connectプロジェクト」の展開に注目が集まります。