高齢者の在宅トレーニングを支援する新たな試み
近年、日本では高齢化が進み、65歳以上の人口が1700万人を超えるとされています。この中で、心身や社会的つながりの虚弱さを示すフレイルやその前段階であるプレフレイルが多くの高齢者に影響を及ぼしています。これらが進行すると、要介護状態になるリスクが高まるため、その対策は社会的な課題として取り上げられています。特に重要なのは、在宅でのトレーニングの必要性です。
在宅トレーニングの重要性
高齢者が在宅で日常的にトレーニングを行う際には、変化する身体機能に応じた専門的なサポートが必要です。理学療法士などの専門家によるきめ細かなアドバイスが、トレーニングの効率と効果を高めるために不可欠です。しかし、現在はこのサポートが十分に行き届いておらず、効果的なトレーニングの実施が困難です。
そこで、SHIN-JIGENは「パワーアシスト技術」を活用した在宅トレーニング機器の開発を進めることになりました。この取り組みは、東京大学医学部附属病院と共同で行うことになり、専門家の意見を取り入れながら研究を進める予定です。
共同研究の内容
この共同研究では、まず運動機能の評価、安全性、そして疼痛の改善・予防に関する実験を行います。東京大学の医学的監修のもとで進められるため、信頼性の高いデータが得られることが期待されています。これにより、在宅でのトレーニング機器がどのように高齢者の運動機能を改善し、さらには日常生活の質を向上させるかを明らかにすることを目指します。
SHIN-JIGENの企業背景
SHIN-JIGENは、2022年に設立された奈良県の企業で、ロボティクスを駆使し、人間の生活を支える製品やサービスを提供しています。「ウェルビーイング」をテーマに、日々の生活やビジネスでの活動に役立つテクノロジーを開発しています。共同研究を通じて、高齢者がより自立し、健康的な生活を送る手助けを重視しているのです。
未来への展望
このような共同研究の成果が実を結ぶことで、今後、在宅トレーニング機器が高齢者の普段の生活に広く普及することが期待されています。これにより、高齢者一人ひとりの自立支援がより進み、フレイル予防と健康寿命の延伸に寄与することができるでしょう。
高齢者向けの新しいトレーニングの形を築くために、SHIN-JIGENと東京大学の共同研究は、これからの社会において重要な役割を果たすことが期待されています。自宅での運動が当たり前となる未来に向けて、しっかりとした基盤を築いていくことでしょう。
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