環境問題への取り組みが進化する中でのLIMEX Sheetの登場
地球規模での水・資源・エネルギーの枯渇が進む中、タカヨシが新たに注目の素材「LIMEX Sheet」を採用したラベル製品の販売を開始しました。
世界の水・資源問題
近年、急速な人口増加とそれに伴う経済成長が引き起こす環境問題が深刻化しています。2030年までには約80億トンの資源が不足すると予測され、2050年には世界人口の51%が水リスクに直面する可能性があります。日本でも、プラスチック資源循環促進法(プラ新法)が施行され、バイオマスプラスチックの導入が進められています。こうした背景から、タカヨシはプラスチックと紙の代替品としての「LIMEX」に注目しました。
LIMEXとその特性
「LIMEX」は、TBMが開発した無機物を50%超含む複合素材で、主成分として石灰石を使用しています。プラスチックと比較して、原材料調達工程でのCO₂排出量を抑制し、焼却時にも約58%の削減が可能です。この素材は、プラスチック・紙に次ぐ新たな環境配慮型素材としての普及を目指しています。
特に、「LIMEX Sheet」はシート状の素材で、飲食店のメニュー表やパッケージ、冊子などに幅広く利用できるのが特長です。タカヨシでは、その中で最も薄い80μmグレードを使用し、印刷テストを実施しました。さらに、印刷可能なインク受理層が施されており、裏側には粘着剤を塗工することができます。
環境へのメリット
「LIMEX」は、環境への配慮を大きく進める素材です。プラスチック代替品としての利点は以下の通りです。
- - 石油資源の使用量を削減
- - 温室効果ガスの排出量を削減
紙代替としても優れた機能を発揮します。
- - 水資源の使用量を約97%削減
- - プラスチック代替用途へのリサイクルが可能
テスト印刷の成果
タカヨシは新潟市の本社工場において、「LIMEX Sheet」の粘着ラベル用基材のテスト印刷を行いました。TBMの立ち会いのもと、評価を実施し、印刷品質を確認しました。これにより、従来の合成紙に比べてCO₂排出量や石油由来プラスチックの使用量を大幅に削減できることがわかりました。
今後の展開
タカヨシは全国に先駆けて、今年8月中旬より「LIMEX Sheet」を使用したラベル製品の販売を開始します。サンプル配布も行い、事前の案内は7月から始まっていきます。環境配慮型素材と言うと高価なイメージがありますが、タカヨシでは一般的な合成紙と同等の価格で提供し、ラベル印刷機を豊富に利用することで柔軟な対応も可能です。初年度の売上目標も掲げ、「LIMEX Partner」として積極的に拡販を進めていく方針です。
この新素材がどのように環境問題に貢献していくのか、今後の動向に注目です。