NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が製薬業界の消化器系におけるNPS(ネット・プロモーター・スコア)ベンチマーク調査を実施し、その結果を公表しました。本調査は主に消化器内科や消化器外科に従事している医師に対し、医療用医薬品に関する情報提供を行う製薬企業に対する評価を収集したものです。
調査の背景
調査の結果、製薬業界全体のNPSは向上傾向にあり、これは主に講演会などの満足度向上が寄与しています。また、AIを活用した創薬や情報提供に対する評価が高い医師のNPS数値も良好であることが分かりました。
NPS評価の詳細
調査対象となった製薬企業15社の中で、最も高いNPSは9.8ポイント。全体では平均が-7.6ポイントとなる中で、トップ企業とボトム企業の差は41.5ポイントもあり、これが業界の競争力を示しています。医師がロイヤルティを感じる要因は、「企業の信頼性」や「患者視点に立った活動」が大きく影響しているとの分析がなされています。
講演会の満足度の影響
医師の満足度は、製薬企業が主催する講演会や勉強会の充実度に密接に関連しています。特にWeb講演会の充実具合がロイヤルティの向上に寄与しており、講演会への高評価がNPS向上の一因であると考えられます。2022年から2023年にかけて一時的にNPSは低下しましたが、2024年には再びプラスに転じる見込みです。
AI活用に対する評価
製薬企業が実施するAI関連の取り組みに関しては、医師の間での評価が高い傾向があります。「取り組んでいる」と回答した医師のNPSは24.4ポイントに達しており、AIを取り入れた薬品開発への期待が高まっていることが窺えます。特に関連する自由記述からは「新薬の開発における技術革新」への関心が伺えます。
今後の薬剤処方意向
調査では、医師が製薬企業を推奨するほど、実際の薬剤処方意向も高まる傾向が確認されました。推奨度が高い医師は平均9.3ポイントの処方意向を示し、中立者の7.7ポイントや批判者の5.9ポイントと比べ、明らかな差が見られました。
結論
今回の調査は、製薬業界において消化器系の企業がどのように医師から信頼を得ているのか、また今後の進展が期待される分野があらわになりました。デジタル化が進む中で、企業は医師のニーズにより合った提案を行う必要があり、今後の展望が注目されます。ICD検査成績の向上や、医療分野のAI活用の拡大に対するニーズも高まっており、製薬企業の更なる努力が求められます。