能登半島の復興支援と持続可能な養殖の発信
近畿大学が、2024年に発生した能登半島地震によって被災したのとじま水族館に対して、マダイの稚魚を無償で提供することが決まりました。これは、近畿大学発のベンチャー企業、株式会社アーマリン近大を通じて行われ、約2,000尾のマダイ稚魚が提供される予定です。
この稚魚は、2025年6月25日から常設展示が始まり、約2週間の訓練を放った後、7月中旬には名物イベント「マダイの音と光のファンタジア」が開催されます。このショーは、震災復興の一環として、地元の皆様に癒しのひと時を提供するとともに、持続可能な養殖技術を広める良い機会となります。
群泳ショーの特徴
「マダイの音と光のファンタジア」は、2004年から継続して行われている群泳ショーであり、毎年多くの観客に親しまれてきました。しかし、2024年1月1日に起きた地震によって、水族館は大きな打撃を受け、休館する事態に至りました。その後、少しずつ営業を再開し、2025年3月には全ての展示を再開することができました。
近畿大学のマダイ稚魚提供は、のとじま水族館の復興を助ける重要な取り組みです。稚魚たちは水中スピーカーの振動や餌の投入による訓練を受け、ショーを通じて観客に楽しさを提供します。
水族館の歴史と近畿大学の役割
当水族館では、これまで長年にわたり近畿大学産のマダイ稚魚を使用しており、その展示は地域の名物イベントとして位置付けられてきました。今回の支援は、震災の影響を受けた地域復興を示すものでもあり、観客にとっても重要な意味を持つものとなります。
近畿大学は、1948年に水産研究所を開設し、「海を耕す」ことを理念に持続可能な養殖技術の研究、開発に注力してきました。マダイの完全養殖技術は、その研究の一環であり、自然環境への配慮から生まれたものです。今回の取り組みを通じて、マダイの養殖の仕組みを多くの人々に知ってもらい、理解を深める機会となることを期待しています。
開催概要
群泳ショー「マダイの音と光のファンタジア」の開催は以下の通りです。
- - 展示開始: 2025年6月25日(水)
- - 開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
- - ショーの時間: 約5分間
- 平日: 10:30 / 14:40
- 土日祝: 10:30 / 15:00
- - 場所: のとじま水族館(石川県七尾市能登島曲町15-40)
このイベントは、震災から立ち上がる地元の人々の姿や、持続可能な養殖技術の重要性を象徴するものとなり、多くの方に参加していただけることを願っています。復興の兆しを感じられるこの機会を、多くの方に楽しんでもらえるよう、のとじま水族館も全力で準備を進めていく予定です。詳しいお問い合わせは、のとじま水族館の公式サイトにて。
このように、近畿大学とのとじま水族館の連携は、地域の未来を支える大切な一手となり、新たな命の息吹を感じるイベントとなることを期待されています。