豪州ガリウム生産に向けた新たな共同調査プロジェクトが始動
豪州ガリウム生産に向けた新たな共同調査プロジェクトが始動
日本の資源開発公社であるJOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)と双日株式会社は、西オーストラリア州に位置するアルコア オブ オーストラリア リミテッド(Alcoa)のアルミナ精錬所にて、ガリウムの生産に向けた共同調査事業を開始することを発表しました。このプロジェクトは、2025年7月23日に初回の出資が実行され、さらに今後の発展が期待されています。
プロジェクトの背景と意義
ガリウムは、半導体材料としての重要性が増しており、LEDや太陽光発電セルなど多岐にわたる用途で使用されています。また、世界中での半導体需要の増加により、ガリウムの需要も増大する見通しです。ガリウムは自然界では単体の鉱石として存在せず、ボーキサイトや亜鉛鉱石などに微量に含まれています。そのため、通常はアルミナや亜鉛の精錬過程で副産物として回収されます。
このような背景から、JOGMECはガリウムの安定供給を目指し、先進的な調査研究を行うため、双日と合弁会社「Japan Australia Gallium Associates Pty Ltd(JAGA)」を設立しました。共同プロジェクトでは、Alcoaのアルミナ精錬所でのガリウム生産を目指し、共同調査契約も締結されています。
プロジェクトの具体的な内容
プロジェクトは、2025年から2026年にかけての準備期間を経て、2026年の生産開始を目指しています。JOGMECと双日は、ガリウム生産関連の技術開発や市場調査を行い、安定的な供給体制を確立します。
「本プロジェクトは、特にガリウムを重要とする日本政府の方針にも合致し、日オーストラリア間の資源開発協力の一環となるものです」とJOGMECの担当者はコメントしています。このように、国際的なリーダーシップを発揮しながら、グローバルな市場における資源供給の多角化を図ることが求められています。
JOGMECと双日の役割
JOGMECは、金属資源の安定供給を促進するため、日本企業の資源開発を支援しています。また双日は、1970年代からアルミナ精錬事業に携わっており、Alcoaとの長年の関係を活かし、この新しいプロジェクトを推進します。
JAGAは、ガリウム生産をスムーズに進めるため、関連する技術やノウハウの共有を行い、安定的な原材料供給を実現するための設備開発に取り組みます。
まとめ
ガリウムの安定供給確保は、今後のテクノロジーの発展に不可欠であり、JOGMECと双日による取り組みがその一助となることが期待されます。これにより、日本をはじめとした様々な国の半導体市場にも寄与することが見込まれています。ますます重要性を増すガリウムの供給を確立するため、今後も両社の活躍に注目したいところです。
会社情報
- 会社名
-
JOGMEC
- 住所
- 東京都港区虎ノ門2-10-1虎ノ門ツインビルディング
- 電話番号
-
03-6758-8106