Web3ビジネスの新たな視点
2025年7月15日、立命館アジア太平洋大学(APU)で、TDCソフト株式会社が開催した特別授業が行われました。この授業は、PBL(Project Based Learning)型で、テーマは「Web3ビジネスの実態」。4日にわたる授業を通じて、学生たちは最新の技術やビジネスモデルについて学びました。
1. 背景と意義
この講座は、APUの国際経営学部の大竹敏次教授からの依頼に基づいています。同大学には多国籍の学生が在籍しており、企業からの実践的な知識を学生に提供することが求められていました。TDCソフトは、60年以上の歴史を持ち、幅広い分野で社会インフラを支えてきた実績を活かし、新たな分野であるWeb3に目を向けたのです。
2. 授業の構成
授業は、金融システムイノベーション部の樋澤康太シニアマネージャーが担当しました。内容は、Webの進化のプロセスを追い、分散型ネットワークやブロックチェーンの基本原則を紹介するものでした。また、DeFi(分散型金融)やDAO(分散型自律組織)といった事例も取り上げられ、グローバル市場における課題や将来の展望についてもディスカッションされました。
学生たちは6つの社会課題やビジネス課題に対してWeb3を用いた解決策を考え、最後の授業では各チームがアイデアをプレゼンテーションする機会を持ちました。活発な質疑応答が行われ、実践的な学びの場となったのです。
3. 学生たちの反応
参加した学生たちは、この授業を通してWeb3への理解を深めました。エジプト出身のAさんは、「Web2の課題をWeb3がどう解決するのかに焦点が当てられ、企業の変化についても考えることができた」と感想を述べ、今後はWeb3関連のITコンサルティングに挑戦したいと語りました。
また、マレーシア出身のBさんは、「Web3は仮想通貨だけではなく、さまざまなビジネス機会を提供するものであると理解した」とし、Web3を活用したマーケティング戦略に挑む意欲を示しました。
4. 教授の意見
大竹教授は、「現場での知見を活かした内容が学生にとって非常に有益だった。PBLを通じた体験が、彼らの将来に大きな影響を与える」とコメントしています。企業との連携を通じて、実社会との接点を築くことの重要性を強調しました。
5. 立命館アジア太平洋大学(APU)とは
APUは2000年に設立され、自由・平和・人権の理念のもと、国際的な人材育成を目指しています。多様なバックグラウンドを持つ学生が集まり、日本語と英語の二言語制を採用している点が特徴です。
6. TDCソフトの役割
TDCソフトは、社会の潜在ニーズを捉え、新たなデジタル技術に対応するシステムインテグレーション企業です。「世の中をもっとSmartに」というパーパスのもと、高度なITサービスを提供することを目指しています。
このような取り組みを通じて、学生たちは実際のビジネス環境に即した学びを経験し、新たな視点からWeb3に触れることができました。