幻の高級魚挑戦
2020-12-13 12:17:56
幻の高級魚スマガツオに挑む若手養殖業者の物語
幻の高級魚スマガツオに挑む若手養殖業者の物語
愛媛県宇和島市には、養殖業の未来を切り開こうと奮闘する若手の養殖業者がいます。神明水産の田中俊也さん(28)は、祖父の代から続くこの企業の三代目として、初めてスマガツオの養殖に挑んでいます。東京の食品商社での経験を経て、田中さんは故郷に戻り、高級魚の養殖に賭ける決意を固めました。
スマガツオとの出会い
田中さんのスマガツオとの出会いは大学時代に遡ります。そこで味わったスマガツオの美味しさに衝撃を受け、自ら育てることへの情熱が芽生えました。「自分が本当に美味しいと思った魚を育てたい」という純粋な思いが、彼をこの道へと導いたのです。しかし、スマガツオの養殖は簡単ではありません。高級魚として珍重されている一方で、育てる難しさから今まで誰も手を出していなかったのです。
養殖の難しさ
田中さんが直面するのは、スマガツオの扱いが非常にデリケートであるということです。脂が乗っている一方で、その味の繊細さが育成を難しくしています。「私自身も消費者としてこの魚の美味しさを知っていますが、養殖業者としては非常にリスクが高い魚です」と田中さんは語ります。
マグロの仲間であるスマガツオは、常に泳いでいないと生存できず、潮の変化や温度管理にも敏感です。そのため、彼の育成は常に気を張り詰めた状況で行われています。
養殖業の未来を見据えて
それでも田中さんは、養殖の未来に明るい希望を見出しています。愛媛大学が進める『えひめ水産イノベーション・エコシステムの構築』プロジェクトに参加し、地域の成長や国富の増大に寄与できる事業化を目指しています。田中さんは「この新しい養殖産業を通じて、地方創生に貢献したい」と熱心に語ります。
クラウドファンディングへの挑戦
加えて、彼は現在クラウドファンディングを実施中です。この取り組みを通じて、一般の人々に養殖業や地方の現状を知ってもらいたいと考えています。「都市部に住む人々にも、養殖の魅力を伝えたい。これを機に知識を広めてもらえたら」と田中さんの目は輝いています。
返礼品としては、様々な形で楽しめるスマガツオが提供され、一夜干しや生ハムなど新たな形での消費も提案されています。3431EF00
未来への希望
田中さんの挑戦は、ここに留まることなく続きます。「スマガツオ」のブランドを育て、地域に新たな価値を生み出す彼の姿勢は、同業者や地域社会にとっても大きな刺激となっています。若手の情熱と革新が、これからも日本の養殖業界に新しい風を吹き込むことに期待が寄せられています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社神明水産
- 住所
- 愛媛県宇和島市蒋渕1686-1
- 電話番号
-
080-2970-7112