千葉県での脱炭素化を加速！「炭削くん」の本格展開が始まる

千葉県の新たな脱炭素化プロジェクトに注目が集まっています。株式会社脱炭素計画は、地域の中小企業向けにCO2排出量算定システム「炭削くん」を本格的に展開します。この取り組みは、環境コンサル企業と手を組むことで中小企業の脱炭素化を加速させることを目指しています。

提携背景と課題

政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現には、日本企業の99.7%を占める中小企業の積極的な参加が重要です。しかし、従来のCO2算定ツールは高コストで、中小企業にとっては手が出しづらい状況でした。「何から始めればよいのかわからない」「コストが心配」といった声が多く、具体的な行動に移せない中小企業が大半を占めています。

「炭削くん」って何？

「炭削くん」は、肥後銀行が開発したCO2算定システムで、全国の5,000社に導入されています。特筆すべきはその価格設定で、月額たったの2,200円（税込）から使用でき、大手の競合サービスの1/5以下の価格です。また、3か月間の無償トライアルも提供されています。これにより、多くの中小企業が手軽に脱炭素への第一歩を踏み出すことができます。

さらに、AI技術を活用したAI-OCR機能により、請求書の自動読み取りが可能で、従来のデータ入力時間を80%も削減します。国際基準にも準拠しており、大手取引先からの開示要請にも対応できます。これは、金融機関ならではの信頼性を兼ね備えたシステムです。

提携による具体的な展開

脱炭素計画と肥後銀行は、千葉商工会議所（会員5,285社）などと連携し、県内の中小企業に対する導入支援、算定後の削減計画の策定、さらには環境経営コンサルティングを行います。単なる「算定して終わり」ではなく、実際のCO2削減と企業価値の向上まで伴走支援を行うことが大切です。

また、提携後6ヶ月で100社の導入を目指し、3年以内には県内の中小企業1％に当たる約1,100社へ普及を進める計画です。これにより、年間数千トン規模のCO2削減効果を見込んでいます。

代表者のコメント

株式会社脱炭素計画の代表取締役社長である渡部貴志氏は、「脱炭素は大企業だけの課題ではありません。千葉県内の中小企業こそが、日本の脱炭素化の鍵を握っています」と語っています。この新しい試みが、千葉県内の中小企業による脱炭素化のモデルケースとなることを期待されているのです。

最後に

本提携は、地域金融機関が開発した脱炭素支援システムと地域環境コンサル企業が連携する新しいモデルです。中小企業のデジタルトランスフォーメーション（DX）とグリーントランスフォーメーション（GX）の同時推進を図り、競争力を向上させるための支援ネットワークが構築されます。特に「システム提供」と「実行支援」を統合的に行うことで、中小企業が抱える課題「導入後の活用」を解決し、効果的な脱炭素経営の実現を目指しています。これからの展開が期待されます。