卸売業の営業手法に関する実態調査が明らかにした課題と期待される解決策
株式会社フルバランスが実施した卸売業の営業に関する実態調査によると、現在の営業手法として圧倒的に多いのが「客先に訪問して口頭でのやり取り」で、これに対し約7割の営業担当者が課題を感じていることが明らかになりました。この調査は、東京都新宿区に本社を置く同社が、卸売業における営業担当者105名を対象に行ったもので、調査結果は様々な示唆を提供しています。
調査方法と対象
調査は、2024年7月4日から7月5日までの間にインターネット上で行われました。対象となったのは、百貨店やスーパーを顧客として自社商品を販売している卸売業の営業担当者で、調査の構成も非常に詳しくなされています。
調査の結果、最も多くの営業手法が「客先に訪問して口頭を行う」とされ、次いで「電話」や「メール・LINE」などの手法も広く使用されています。
現在の営業手法に対する課題
驚くことに、約7割の営業担当者が現在の営業手法に何らかの課題を感じていると回答しました。具体的には、40%が「処理に時間がかかる」と答え、続いて31.4%が「商品名や受注数の伝達ミスが発生する」と述べています。このような課題が存在する中、業務の効率化が求められています。特に、全体におけるミスの発生頻度は「半年に1回程度」または「月に1回程度」とされ、リアルタイムでの情報共有や管理の未整備が課題であることがわかります。
ECサイトの必要性と期待
調査では、約6割がBtoB向けのECサイトの導入を望んでいると回答しました。その理由として、58.7%が「ヒューマンエラーの削減」を挙げ、続いて「顧客にとっての利便性の向上」や「新規顧客の開拓」なども期待されています。
具体的には、営業手法のデジタル化によって業務の効率が向上し、手書きによる煩雑さが解消されることが期待されています。さらに、在庫管理や顧客情報の一元管理が容易になり、業務全体の質が向上すると考えられています。
ただし、ECサイトの導入に関しては「セキュリティの安全性」や「仕入れとの連携が上手く機能するのか」という不安も少なくありません。特に、取引先によるカスタマイズが難しいという課題が、導入の足かせとなっているようです。
まとめ
今回の調査を通じて、卸売業の営業担当者が現状抱えている非デジタルな営業手法の課題は、業界全体に影響を与える重要なテーマであると感じました。BtoBのECサイト導入が進むことで、営業の負担が軽減され、業務効率が向上することが期待されます。今後、この調査結果が業界のデジタル化を進め、業務改善や成長に繋がる一助となることを願っています。