健康経営を推進する花王グループとその取り組み
2023年12月18日、水曜日。「健康と経営を考える会」の第34回定例会が開催されました。この会合では、花王グループの健康経営の方針と厚生労働省による医療制度改革が中心議題となりました。会場は花王本社の会議室で、参加者は企業の健康経営に強い関心を持つメンバーばかりです。
花王グループの健康経営進化の軌跡
花王株式会社の守谷人財戦略部門健康開発推進部長が講演を行い、企業としての健康経営の重要性について語りました。守谷氏は、健康経営は「社員活力の最大化」を目指し、社員の健康増進へ積極的に取り組んでいることを確認しました。具体的には、社長のトップメッセージを発出し、組織体制を整備し、データを活用した施策を進めるといった手段を取っています。
安定した健康経営が実現できる理由として、花王の企業理念に「豊かな共生世界の実現」があることを挙げ、健康経営をその実現に向けた一つの軸としています。このビジョンに基づき、近年、健康経営戦略マップが分析され、こころの取り組みが最重要視されています。
健康経営の実績と評価
具体的には、社員のエンゲージメントを高めるための指標として「GENKI率」を活用し、離職率の低下やアブセンティーイズムの削減を目指していることが報告されました。また、食事や運動に関する教育プログラムを導入し、健康の自立を促進する施策も展開されています。
さらに、花王グループは、健保と健康開発推進部が連携し、健康経営に寄与する体制を整えており、社内におけるメンタルヘルスの管理も重視されています。健康データの集計や分析を行うことで、経営層への報告が行われており、意思決定に必要なデータを提供しています。
厚生労働省の新しい健康施策に関する講演
厚生労働省の佐藤保険課長からは、「第3期データヘルス計画」と後期高齢者の支援金に関する新制度の説明がありました。日本の急速な高齢化が進む中、人生100年時代を見据えた健康施策がますます重要になっているとの指摘がありました。
佐藤課長は、高齢化社会において企業や健康保険組合の役割が拡大しており、健康寿命の延伸が双方にとっての課題として浮上しています。具体的には、企業における健康管理の重要性が増す中で、個々の取り組みが全体的な生産性向上につながることが強調されました。
健康と経営を考え続ける意義
「健康と経営を考える会」は、企業の健康経営を支援するため、様々な観点から議論を重ねる場として設立されました。その背景には、社員の健康維持は企業の競争力向上に不可欠であるとの認識が立っています。ここでのディスカッションを通じて、各社が自社の健康経営をどう進めていくか、次なる一手を考える良い機会となったことでしょう。
今後も健康経営の重要性が叫ばれる中、花王グループを始めとする企業の取り組みは、多くの企業にとっての参考となるに違いありません。日本経済を支えるためには、健康への投資が不可欠で、今後の進展が期待されます。