感覚の新たな可能性を探る「Humanity Lab」発足
株式会社博報堂は、東京都港区に本社を置く広告代理店で、本年新たに「Humanity Lab」というプロジェクトを発足させました。このプロジェクトは、五感を超えた多様な感覚や感情を研究し、生活者に豊かな体験を提供することを目指しています。博報堂はこれまで「Human X」というクロスモーダル知覚に関する取り組みを行ってきましたが、これをリニューアルし、今回の「Humanity Lab」に進化させました。
新たな研究の背景と目的
「Humanity Lab」では、感覚の領域が五感に留まらず、体性感覚や内臓感覚にまで広がることを念頭に置いています。生活者が持つ本来の感覚特性を活かし、創造的な体験の可能性を引き出すことを目的としています。具体的には、温度や触覚、さらには痛覚や内臓からの感覚など、より広範な理解を深めることを重視しています。
研究の信念
「感覚が、生活者発想を進化させる」という理念のもと、日常生活に影響を与える感覚を研究し、新しい価値を提案することが目標となっています。また、この研究から得られた知見は、商品の開発や企業へのソリューションに活用され、社会全体に寄与することを期待しています。
第一弾ソリューション「HUMAN TEXTURE」
「Humanity Lab」の最初の成果として、東京大学大学院情報理工学系研究科の鳴海拓志准教授と共同開発した「HUMAN TEXTURE」があります。このプロジェクトは手触りに焦点を当てており、心地よさを生み出すためのテクスチャーを作り出しました。このテクスチャーは、人間の皮膚の質感を模倣したもので、5つの身体の部位からの触覚データを基にし、紙に凹凸を施してリアルな感触を提供します。
実用化と応用
HUMAN TEXTUREは、ティッシュペーパーや車のハンドル、肌着など、多様な素材に適用可能です。これにより、日常生活の中で豊かな感覚体験を提供できることが期待されています。手触りや質感は、人との触れ合いを通じて心身のリラックスを促すため、心地よさを感じることができる新たな体験をもたらすでしょう。
未来の展望
博報堂は、生活者からの視点を基に多様な分野での研究やサービス開発を進め、より良い生活を営むための提案を続けていきます。「Humanity Lab」を通じて、感覚がもたらす新しい体験を発見し、広めていくことに注力していく方針です。今後もさらなる研究成果に期待が寄せられています。
公式サイト
さらに詳しい情報は
Humanity Labの公式サイトをご覧ください。