ウポポイに誕生する新しい大型遊具広場「トㇺトㇺ」
2026年春、北海道白老町にあるウポポイ(民族共生象徴空間)に子どもたちを対象とした大型遊具広場がオープンすることが決定しました。これは公益財団法人アイヌ民族文化財団が運営する施設で、子どもたちがアイヌ文化を楽しく学びながら遊べる場を提供することを目的としています。
広場のコンセプトと特徴
「トㇺトㇺ」という名称には「ぴかぴか光る」という意味が込められています。アイヌの伝統的な生活空間であった水辺をモチーフにしており、安全性やインクルーシブ機能も考慮されています。この新しい遊具広場は、子どもたちが遊びを通じて互いを理解し、共生を学ぶ場として位置づけられています。
広場の構造にはアイヌ文化が色濃く反映されており、数種類のユニークな遊具が設置されます。特に、児童用の大型複合遊具「ふねのあそびば」と幼児用の「さけのあそびば」が特に注目されます。それぞれの遊具はアイヌ文化の要素を取り入れたデザインとなっており、遊びながらその文化を学べる仕掛けが施されています。
遊具の詳細
- - ふねのあそびば(仮称): この遊具はアイヌの漁撈に使用されていた舟「イタオマチプ」をモチーフにしており、波を乗り越える形状をしているのが特徴です。子どもたちはこの遊具を通じてアイヌ伝統に触れられることでしょう。
- - さけのあそびば(仮称): アイヌにとって重要な食材である「サケ」を題材にしたこの遊具は、サケが遡上する様子を想起させるデザインが施されています。サケの重要性とその文化に触れることができる場ともなります。
安全面とインクルーシブデザイン
この大型遊具広場は、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもたちが楽しめるインクルーシブな環境を提供することに力を入れています。遊具の配置や勾配は、車いす利用者や多様なニーズを持つ子どもたちが一緒に遊べるよう配慮されています。この取り組みは、今後の都市公園でもますます重要視される傾向にあります。
工事とオープン予定
遊具広場の工事は2025年9月から行われ、2026年4月の開放を予定しています。また、工事期間中は芝生広場への立ち入りが禁止となりますが、これは子どもたちの未来を見据えた重要な一歩です。ウポポイへの誘客促進戦略の一環として、子ども向けのコンテンツ強化が図られる中、新たな遊び場は注目を集めることでしょう。
ウポポイ遊具設置検討チームの野本正博座長は、「ウポポイは、大人も子どもも一緒になってアイヌ文化を体験して学ぶ空間です。この遊び場『トㇺトㇺ』は、子どもたちの成長を促し、家族で楽しむ場でもあります」と語っています。
このように新たに整備される大型遊具広場は、アイヌ文化の伝承を次世代に繋げる大切な役割を果たすことでしょう。子どもたちにとって、遊びを通じて文化を身近に感じられる素晴らしい機会が提供されるのです。