新たな木質素材『DLT』とは?
2020年度のグッドデザイン賞を受賞した新木質素材であるDLT(Dowel Laminated Timber)は、接着剤や釘を一切使用せず、木材を積層して木ダボだけで接合する画期的な技術で製造されています。この手法により、DLTは構造材としての使用はもちろん、木の自然な風合いを大切にした意匠材としても活用できる点が大きな特徴です。
多彩な用途とデザイン
DLTは、床、壁、屋根といった構造用パネルとしてだけでなく、内装や家具といったインテリアにも利用されます。特に、見るからに美しい仕上がりは、多様なデザインニーズに応えるものとなっています。また、木材の皮が残る丸身材を活用することで、見た目と感触の両面で独自の魅力を発揮し、新たな価値を生み出しています。
DLTの製造過程
DLTの製造工程は非常にシンプルです。板を並べた後、穴を開けて木ダボを差し込むだけ。このような加工のしやすさから、廃棄時の環境負荷も小さく、持続可能な生産が実現します。また、製品の木材断面形状を事前に加工することで、様々な表面デザインの実現も可能であり、顧客やデザイナーからのリクエストに応じた柔軟な対応も行っています。
受賞の背景と今後の展望
DLTの誕生背景には、人工林の収穫期を迎えた日本において、国産材の利用が促進されているという現状があります。地域の中小製材業者が特性を発揮しやすいよう、シンプルな製造工程で、接着剤を用いずに木材製品を作れることが評価されました。これにより、木材の高付加価値化が目指せるようになっています。
国産材を用いたDLTの商品化に尽力している株式会社長谷川萬治商店と株式会社長谷萬では、この受賞を契機に受注拡大を狙い、DLTの普及を図る方針です。これからも中小製材事業者との連携を深め、持続的な木材利用の促進に貢献することが期待されています。
グッドデザイン賞とは?
公益財団法人日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞は、国内外の企業が参加するデザイン評価の活動です。優れたデザインがもたらす暮らしの質向上を目指し、社会の問題解決に寄与することを目的としています。
会社情報
株式会社長谷川萬治商店
- - 設立: 1921年(大正10年)
- - 所在地: 東京都江東区富岡2-11-6
- - 事業内容: 製材品販売、国産材販売、建築工事など
- - 公式HP: 長谷川萬治商店
株式会社長谷萬
- - 設立: 1956年(昭和31年)
- - 所在地: 東京都江東区富岡2-11-6
- - 事業内容: 建築工事の設計・施工など
- - 公式HP: 長谷萬