出光興産、使用済み潤滑油のマテリアルリサイクルプロジェクト開始
出光興産株式会社(東京都千代田区)が、使用済み潤滑油のマテリアルリサイクルを実現するための新たな再生基油製造プロセスの構築に向けたプロジェクトを開始しました。これは、環境省が公募した「令和6年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業」に採択されたもので、2045年のカーボンニュートラル目標達成に向けた一環です。
目的と背景
日本において、使用済み潤滑油は主に熱源として再利用されるサーマルリサイクルが主流ですが、脱炭素化の流れと潤滑油供給の安定性の観点から、マテリアルリサイクルの必要性が高まると予測されています。今回のプロジェクトでは、使用済み潤滑油を原材料として再生することで、環境への影響を最小限に抑えつつ、持続可能な社会の構築を目指します。
プロジェクトの進行
本事業は、2024年度から2025年度の2年間にわたって実施されます。具体的には、国内の設備における不純物の除去と、それを基にした潤滑油基油の製造技術の実証およびその環境への影響を評価します。また、海外で導入されている再生プロセスに基づくリサイクルの技術実証も行い、国内で回収した使用済み潤滑油の利用方法を検討します。
以下は、本事業の具体的な内容です:
1. 国内の設備での不純物除去と基油製造プロセスの技術実証
2. 海外のプロセスを活用しての国内再生に関する技術実証
3. 1および2の結果の比較
4. 海外のマテリアルリサイクル推進制度の調査を基に、日本に適応した制度の提案
共同実施者
このプロジェクトは、以下の企業との共同で進められます:
- - 長谷川インターナショナル株式会社:海外の施設における再生プロセスの技術実証を担当
- - みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社:全体的な資源利用に関する環境影響評価を実施
- - 三井物産株式会社:海外のリサイクル制度の調査を実施
- - 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社:基油再生に係る温室効果ガス排出量の算定を担当
未来に向けた取り組み
出光興産は、これらの活動を通じて潤滑油の再生・リサイクル技術の進展に寄与し、環境負荷の軽減に取り組むことでカーボンニュートラル社会の実現を目指します。今後の進展に期待が寄せられます。