新たな食支援のカタチ、GOKURI®
高齢化社会の進展に伴い、高齢者の食事の重要性がますます高まっています。口から食べることが困難な方々に向けた支援の一環として、株式会社明治が国立長寿医療研究センターやPLIMES株式会社と協力して開発した「GOKURI®」が注目を集めています。このゼリー状食品を通じて、栄養補給だけではなく、食べる楽しみを提供することが目的です。
GOKURI®とは?
「GOKURI®」は、嚥下を支援するためのモニタリングシステムです。特に、半固形状のゼリーについて、口に取り込んでから嚥下するまでの一連の動作を定量化することができます。AIが嚥下時間を解析し、音を基に嚥下機能を評価するこの技術は、安心して食事ができる環境を整える助けとなります。
研究の成果
最近の研究では、GOKURI®を使用して、異なる物性を持つ栄養ゼリーの摂取しやすさについて調査が行われました。調査の結果、ゼリーの物性が異なることで、嚥下行動にどのように影響するかが明らかになりました。具体的には、かたくてまとまりのあるゼリーは、口腔保持時間が長く、より安全に嚥下できることが確認されました。特に、誤嚥リスクを減らすための食品としての特性が強調されました。
食育活動の実施
明治の取り組みは研究だけにとどまりません。GOKURI®を活用した高齢者向けの食育活動も行っています。この活動では、年齢に伴う嚥下機能の低下を防ぐための情報提供や、嚥下機能を知るための測定機会を設けています。これにより、参加者は自身の食事を見直し、健康的な食生活を送るための手助けを受けることができます。
この活動は2023年7月からスタートし、2024年度にはさらに多くの回数を見込んでいます。体験者の数も増えており、食の重要性が広がっています。
今後の展望
これからの高齢者向けの食品市場において、GOKURI®の研究成果は重要な役割を果たすでしょう。ただ食事を取るだけでなく、高齢者が自立した生活を送るための支援をするという視点が求められています。GOKURI®の提供する食育や研究データは、フレイル予防や新たな嚥下調整食の開発に繋がるでしょう。
まとめ
GOKURI®は、高齢者にとって安全で美味しい食事を可能にするための革新的な取り組みです。食べる楽しみを共有し、健康的な生活を送るためのサポートをしていくことが期待されます。食育活動への参加を通じて、自分の嚥下機能を理解し、適切な食事選びの重要性を再認識する機会を提供しているのです。
ぜひこの機会に、GOKURI®を通じた新しい食体験に触れてみてはいかがでしょうか。