企業ファンづくりの必要性と次世代向け施策の現状分析
近年、企業のファンづくりが注目を集めています。しかし、実際の取り組みはまだ始まったばかりの段階です。日本で唯一の総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務が実施した調査によると、企業の約7割がファンづくりが必要と感じていますが、実際に取り組みを行っている企業は少数派でした。以下に、調査結果を基にした企業ファンづくりの現状を詳しく解説します。
ファンづくりの必要性を認識するも実施状況は鈍い
調査に参加した157名の総務担当者のうち、ファンづくりの必要性を「とても感じている」と答えたのは34.4%、「やや感じている」と答えたのは38.2%と、多くの企業がその必要性を実感しています。しかし、ファンづくりに「積極的に取り組んでいる」と報告した企業は21.0%にすぎず、「全く取り組んでいない」という企業も45.2%に達しました。このことから、ファンづくりに対する意識は高まっているものの、具体的な行動につながっていないことが明らかになりました。
ファンづくりの目的は多岐にわたる
さらに、ファンづくりの目的についても興味深い結果が得られました。「顧客・地域からの信頼向上」が66.3%で最も多く、次いで「採用力の向上」と「企業ブランド価値の向上」がそれぞれ59.3%でした。短期的な利益よりも、中長期的な信頼や人材確保に対する投資といえるでしょう。このように、企業はファンづくりにおいて信頼を基盤とした価値向上を目指していることがわかります。
ターゲットは多層化している
ファンづくりの対象については、顧客や取引先が55.8%、地域住民が48.8%、そして、次世代を担う就職・進学を控えた学生が46.5%という結果が出ており、次世代を意識した施策が徐々に進行していることが伺えます。特に、教育機関や地域との結びつきは、今後の企業成長にとって重要な要素となるでしょう。
実施内容の変化と主軸について
ファンづくりのために実施している具体的な活動内容には、「SNSや自社サイトでの情報発信」が55.8%、続いて「社会貢献活動への参加・発信」が51.2%という結果です。また、イベントの開催や参加も46.5%と高い比率を示しています。最近は企業の活動をSNSを通じて発信することが一般的になってきたことから、ファンづくりは企業の広報活動にも深く関わっていると言えます。
一方で、企業ファンづくりに取り組んでいない理由としては、「優先順位が低い」が38.0%、次いで「リソースが不足している」が36.6%という結果が続きます。企業にとってファンづくりは重要な戦略であるものの、他の業務との兼ね合いから後回しにされがちな現状があります。
次世代向け施策への期待
ファンづくりの中でも、特に次世代向けの施策については約6割の企業が取り組んでいると回答しました。具体的には、地元の小学校からの工場見学や、スポーツチームへのスポンサー活動、そして、従業員の生活や企業の文化を発信するTRYなど、多面的なアプローチが見られます。
次世代を意識したファンづくりの目的は「将来的な採用・人材確保が72.5%」という調査結果もあり、企業の人材戦略と深く結びついていることが明らかになりました。企業は、自社の認知度を高めながら、次世代に対する信頼を築くために不安定な状況であると言えます。
結論
今回の調査結果から、企業におけるファンづくりは重要であるが、実行段階へ移行し切れていないという課題が浮き彫りになりました。
リソース不足や効果測定の難しさ、そして体制の未整備などは、実際の取り組みを難しくさせる要因です。特に、次世代向け施策は、目先の成果が見えにくいながらも、企業の未来を見据えた戦略として重要な位置付けがされています。経営層の理解や適切な資源の配分が、今後のファンづくりにおいては不可欠です。総務部門が積極的に関与し、戦略をしっかりと捉えて、企業の持続可能な成長へとつなげていくことが求められています。