塔尾栞莉の個展「ここから見ると」
2025年2月22日(土)から3月11日(火)まで、京都の蔦屋書店にて、アーティスト塔尾栞莉の個展「ここから見ると」が開催されます。大分を拠点に活動している彼女は、幼少期の写真や日常の風景をモチーフに、記憶の儚さを独特な技法で表現しています。
記憶を具現化するアート
展覧会では、特に注目すべき作品《Time Travel》を中心に、全16点が展示される予定です。彼女のアートは、キャンバスにマスキングテープを使ってグリッドを作成し、1マスずつ絵具を乗せていくというプロセスで生み出されます。この方法により、隣り合うマスの色合いが微妙に異なり、テープを剥がす際には予期しない絵具の欠けが生じます。これによって、過ぎ去った時間とともに記憶が曖昧になり、失われていく様子が表現されます。
新作の背景
新作《Time Travel》は、大阪の老舗喫茶店にて撮影された日常の一コマを描いたもの。塔尾栞莉は、作品を通じてその時代の居心地のよさを感じ取ったと語ります。この作品からは、彼女が見た「当時」の様子が垣間見え、観る者に深い感慨を与えます。
想いを込めたアーティストの言葉
塔尾栞莉は自身のアーティストステートメントの中で、記憶の儚さを綴っています。「印象的な記憶が日々の情報の中で削ぎ落とされていく。その感覚が少しさみしい」と彼女は表現し、制作過程で彼女自身のアイデンティティがどのように構築されていくかを語っています。キャンバス上の3×3cmのマスに油絵具を淡々と置いていくことで、彼女は個人の存在を記録する作業を続けています。
プロフィールと活動歴
塔尾栞莉(とのおしおり)は1994年に大分県で生まれ、尾道市立大学で美術を学んだ後、大学院で油画専攻を修了しました。彼女は、東京都内での個展やグループ展に多数参加しており、2023年には国際的なアートフェアにも出展しています。受賞歴もあり、その活動は国内外で評価されています。
展覧会の詳細
個展「ここから見ると」は、京都 蔦屋書店の6Fギャラリーで開催され、入場は無料です。また、展示作品は会場でも購入可能ですが、オンラインのECプラットフォーム「OIL by 美術手帖」でも販売予定です。作品が売り切れてしまう可能性もあるため、早めの訪問や購入をお勧めします。
開催情報
- - 会期:2025年2月22日(土)~3月11日(火)
- - 時間:11:00~20:00(最終日は18:00まで)
- - 場所:京都 蔦屋書店 6Fギャラリー
結論
塔尾栞莉の個展は、記憶とその表現の新たな可能性を提示する貴重な機会です。アートへの新たなアクセスとして、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。