国立美術館の再構築
2025-11-28 09:17:10

国立美術館のデータベース再構築を手掛けるインフォ・ラウンジの取り組み

改修業務を手掛けるインフォ・ラウンジ



インフォ・ラウンジ株式会社が、国立美術館国立アートリサーチセンターから「統合データベースシステム『国立美術館サーチ』改修・再構築業務」を受託した。これは、国立美術館が所有する収蔵品情報を一元化し、誰もがアクセスできる文化資源の共有基盤を構築することを目的としている。

プロジェクトの背景


国立アートリサーチセンターは、既に「所蔵作品総合目録検索システム」をはじめとした図書館システムと機関リポジトリを統合したデータベース「国立美術館サーチ(試験公開版)」を公開。これにより、さまざまな収蔵品情報や学術資産が横断的に検索できるシステムを手に入れた。しかし、各美術館の収蔵品データベースの変化や構造の違いが影響し、検索結果の不整合が問題となっていた。このような状況の中で、国立美術館はデータを効率的に一元化し、高度な検索機能を実現する新プラットフォームを必要としていた。

新たなプラットフォームの構築


この業務では、以下の主な特徴が盛り込まれている。

1. 統合データベースによる横断検索
異なる美術館のデータスキーマを統一し、作品や作家、文献、アーカイブ情報を一体的に検索できる新たなメタデータモデルが設計される。これにより、国立美術館の文化資源全体を横断的に検索できる環境が提供され、特有の検索ニーズにも対応可能。

2. 優れたユーザー体験とアクセシビリティ
利用者フレンドリーなUI設計がなされ、高齢者や視覚障がい者を含む多様なユーザーに配慮。高精細な作品画像や関連資料のリンク、スマートフォンへの最適化にも対応した機能が追加される。

3. クラウドネイティブなアーキテクチャ
AWSを利用したサーバーレス構成を採用。これにより、高い可用性とセキュリティ、スケーラビリティを維持しつつ、データ更新が柔軟に行える運用環境が整う。

4. 外部連携とオープンデータへの対応
OAI-PMHやJSON-LD形式でのデータ出力が可能になり、Japan SearchやWikidataなどとの相互利用を視野に入れた設計が進められる。これにより、国際的なデータ連携や文化資源の再活用の基盤が作られる。

未来の展望


インフォ・ラウンジは、このシステムを文化資源の「知のインフラ」とし、今後は3Dデータや地理情報との連携、AIによる自動タグ付けや推薦機能の導入など、より多層的な検索や閲覧体験の向上を目指している。また、教育や研究、創造的な活動における利用を促進し、国立美術館の知的資産を次世代に繋げるデジタルアーカイブの発展に寄与できるよう努める意向を示している。

インフォ・ラウンジの実績


インフォ・ラウンジは、文化庁の「Art Platform Japan」や東京都歴史文化財団の「ToMuCo」、神奈川県立金沢文庫の「国宝金沢文庫 文書アーカイブ」など、数多くの文化資源に関するアーカイブの構築・運用実績を持つ。デザインとテクノロジーの融合により、利用者と運用者の双方にとって価値のある情報基盤を実現してきた。

会社概要


  • - 会社名: インフォ・ラウンジ株式会社
  • - 所在地: 〒224-0032 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央8-33 サウス・コア402号室
  • - 設立: 2007年7月3日
  • - 代表者: 代表取締役 肥田野 正輝
  • - 公式サイト: インフォ・ラウンジ

会社情報

会社名
インフォ・ラウンジ株式会社
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