国際海事機関で合意された日本提案の新しい安全基準とは

国際海事機関での重要な合意内容



令和8年1月19日から23日まで、国際海事機関(IMO)の第12回船舶設計・建造小委員会(SDC 12)が開催されました。この小委員会では、日本を含む複数の国からの提案に基づく安全基準についての議論が行われ、船舶の安全性向上に向けた新たな方針が合意されました。

1. 推進操舵装置に関する安全基準の改正



今回の会議で重点議題となったのは、従来型の推進操舵装置から、より最近の技術であるウォータージェットや旋回式スラスターなどへの対応です。従来の安全基準であるSOLAS条約は、これらの新しい推進装置に関して十分に整備されていない状況が続いていました。これに対し、日本はEUやノルウェーと協働で現行の技術に即した合理的な基準の策定を目指す提案を行い、合意を得ることに成功しました。

次回の会合では、操縦性能評価の具体的な手法や、基準策定に向けたさらなる議論が進められる予定です。これは、船舶の航行における安全性を確保するための重要なステップといえるでしょう。

2. 船舶からの水中騒音低減に向けた取り組み



また、海洋生物に与える影響を抑えるため、船舶から発生する水中騒音の低減についても議論が行われました。IMOはこれまで水中騒音に関するガイドラインの策定を進め、義務化の検討も行っていましたが、日本が指摘したように技術的知見が十分でない現状では、義務化の検討開始は時期尚早とされました。

その結果、各国の技術的な知見を共有するために、経験蓄積期間(EBP)が設けられました。このEBPは当初の計画よりも2年間延長されることが決定され、水中騒音削減の義務化の検討は後回しにされました。この判断は、今後の安全基準策定において、より慎重で効果的なアプローチが必要であることを示しています。

3. 今後の展望



今回のSDC 12での合意は、船舶の推進操舵装置における安全基準の見直しや水中騒音低減施策において、国際的な協力の重要性を再認識させるものとなりました。今後も、日本の提案が国際的な基準策定に大きく寄与することが期待されています。

安全性向上の取り組みは、船舶に限らず、広く海洋環境や生態系への配慮が求められる現代において非常に重要です。国際的な合意がどのように実現され、具体的な施策に繋がるのか、我々は注視する必要があります。

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