車載用バッテリー監視IC「S-19193シリーズ」新登場!
EVやe-Bikeの安全性を高める革新的な技術
ミネベアミツミグループのエイブリック株式会社が、車載用3~6セルバッテリー監視IC「S-19193シリーズ」を新たに発売しました。この製品は、EVやe-Bikeなどの車載用バッテリー管理システム(BMS)の安全性を向上させることを目的として開発されました。
機能安全規格ISO26262に準拠
現代の自動車業界では、EVやe-Bikeなど、バッテリー駆動の車両が急速に普及しています。これらの車両には、バッテリーの過充電や過放電を防ぎ、安全性を確保するためのバッテリー管理システム(BMS)が不可欠です。
「S-19193シリーズ」は、自動車用機能安全規格であるISO26262に準拠した開発プロセスで開発されており、高い安全性を実現しています。ISO26262は、車両の開発ライフサイクル全体を対象とする国際規格であり、故障のリスクを最小限に抑えるための厳格な基準が設けられています。
故障時にもバッテリー監視機能を継続
従来のバッテリー監視システムでは、故障が発生した場合、安全のために車両が停止し、バッテリーの監視が停止してしまうケースがありました。しかし、「S-19193シリーズ」は、プライマリ監視系が故障した場合でもセカンダリとしてバッテリーを継続的に監視することが可能です。これにより、故障時にも運転を継続できる「フェイルオペレーショナル」や、機能が低下した状態で動作を続ける「フェイルデグレーデッド」といった機能安全を実現し、より安全性の高いBMSを実現します。
シンプルな構成と自己診断機能で設計を簡素化
「S-19193シリーズ」は、スタンドアロン動作が可能で、MCUによる制御が不要なため、設計が簡素化されます。また、自己診断(セルフテスト)機能を搭載しており、IC内部の故障を検出することが可能です。長期間使用した場合に発生する可能性のある「偶発故障」による監視機能の損失を早期に検知することで、システム全体の信頼性を高めます。
カスケード機能で複雑な監視回路を簡素化
さらに、「S-19193シリーズ」は、カスケード機能を備えています。これは、複数のICを接続して、より多くのセルを監視できる機能です。直接接続に加えて、フォトカプラ―を介した接続もサポートしているため、バッテリーの直列数の多い高電圧BMSにおいても安全な監視回路を構成することが可能です。
環境貢献への取り組み
「S-19193シリーズ」は、環境貢献に優れた製品としてミネベアミツミグループの「グリーンプロダクツ」に認定されています。エイブリック株式会社は、今後も、安全性に配慮した高品質な製品の開発を通じて、お客様に貢献していくことを目指しています。
まとめ
エイブリック株式会社が発売した車載用バッテリー監視IC「S-19193シリーズ」は、EVやe-Bikeのバッテリー管理システム(BMS)の安全性を向上させる革新的な技術です。ISO26262に準拠し、故障時にもバッテリーを継続的に監視する機能を搭載することで、より安全な運転をサポートします。シンプル設計と自己診断機能により、設計の簡素化にも貢献します。環境貢献にも力を入れており、今後も高品質な製品の開発を通じて、お客様のニーズに応えていくことを目指しています。