ディープインサイトとトプスシステムズ、次世代AIプロセッサで新たな可能性を拓く
次世代AIプロセッサ「SMYLEdeep」とは?
近年、IoTや自動運転といった技術の進展に伴い、エッジコンピューティング市場ではリアルタイムの画像処理がますます重要になっています。この状況を受け、ディープインサイト社とトプスシステムズ社が共同開発したAIプロセッサ「SMYLEdeep」が登場しました。
SMYLEdeepの背景と技術
「SMYLEdeep」は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同プロジェクトを基に開発されました。このプロセッサは、冷却が難しい自動運転車やモバイル機器向けに、1W以下という低消費電力で高い画像認識処理能力を実現しています。
通常、リアルタイム画像認識には数TOPS以上の計算力が求められますが、従来のプロセッサでは消費電力が大きく、コストも高いため、組込みデバイスには適しませんでした。しかし、SMYLEdeepは、この課題を解決するために開発され、高速化と低消費電力化の両立を図っています。
トプスシステムズの技術革新
トプスシステムズは、SMYLEdeepを用いることで、75MHzという低い動作周波数でも最大480枚のFull-HD画像処理を可能にしています。このプロセッサは、従来型のプロセッサよりも遥かに高い性能を持っていますが、消費電力を抑える設計によりコスト面でも競争力があります。
さらに、AI技術を駆使した「Autonomous Camera」コンセプトを基に、様々な用途に応じたソフトウェアの入れ替えができる柔軟性を提供。自動運転や監視カメラ、ロボットなど多岐にわたる分野での応用が期待されています。
ディープインサイトとKAIBERの役割
また、ディープインサイトでは、純国産のディープラーニングフレームワーク「KAIBER」を開発しており、これをSMYLEdeepに最適化した形で提供していく予定です。KAIBERは、組込みデバイスに狙ったディープラーニング技術の実装を容易にし、企業がより迅速にIoTアプリケーションへ導入できるように設計されています。
今後の展開
両社は今後、「SMYLEdeep」と「KAIBER」を組み合わせた新しいシステムの展開を進め、商用用途を広げていくとしています。特に、自動運転やロボット分野における画像認識処理の精度向上が、その中核となるでしょう。AIを駆使した新たな方法で、「見る」「診る」「看る」機能を持つデバイスの普及が期待されています。
まとめ
今後、ディープインサイトとトプスシステムズが共同で展開していく新しいAIプロセッサ技術は、IoT領域や自動運転技術において重要な役割を果たすことが予想されます。その柔軟性、効率性、そして強力な画像認識能力は、未来のテクノロジーにおいて欠かせない要素となるでしょう。これからの進展に注目が集まります。
会社情報
- 会社名
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ディープインサイト株式会社
- 住所
- 東京都品川区東五反田5-22-37オフィスサークルN五反田 806
- 電話番号
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03-6869-7564