AgoraとFPTが東南アジアの金融機関向けAI導入を加速
2026年2月24日、シンガポールで発表されたニュースが、銀行業界を揺るがしています。リアルタイムエンゲージメント技術で知られるAgoraと、ITサービスの巨人FPTが手を組み、東南アジアの金融機関向けに特化した人工知能(AI)の導入拡大を目指すと発表しました。この戦略的パートナーシップにより、顧客エンゲージメントの強化や業務効率の向上が期待されています。
テクノロジーの融合
Agoraのリアルタイムエンゲージメント技術と、FPTの地域での展開力を組み合わせることで、この共同プロジェクトは金融機関に新しいデジタルサービスを迅速に提供できる土壌を築きます。特に、Agoraの会話型AIであるConvoAIと高性能なリアルタイム通信(RTC)を通じて、金融機関は声やチャット、ビデオを用いた安全でインテリジェントな顧客サポートを実現することが可能となります。
東南アジアの金融セクターの変革
現在、東南アジアの金融サービスは急速なデジタル化が進んでおり、新たな顧客ニーズに対応するためには、より柔軟で迅速なサービスが求められています。顧客はシームレスで、常にアクセス可能な金融体験を期待しています。そのため、金融機関はレガシーシステムを刷新し、データ保護や業務継続性を維持しつつ、パーソナライズされた顧客対応を提供しなければなりません。会話型AIが、この実現に向けた中心的な役割を果たします。
FPT Smart Cloudの最高収益責任者であるマーク・ホール・アンドリュー氏は、「FPTのAI技術とAgoraのリアルタイム技術を組み合わせることで、銀行や金融機関がデジタル体験をスケールアップし、より高品質なサービスを提供できるようにします」と述べています。
実際の用途は?
このパートナーシップにより、次のようなユースケースが想定されています:
- - リテールおよび法人バンキングのカスタマーサポート
- - 決済サービスの効率化
- - 顧客対応におけるリアルタイムのサポート
- - 多言語での国際的な顧客エンゲージメント
特に注目すべきは、AI搭載のバーチャルアシスタントを用いることで、迅速なサービス提供が可能になる点です。AIは高い問い合わせ量に対処しながらも、一貫したサービス品質を保つことができ、必要に応じて人間のサポートを加える「human-in-the-loop」アプローチも導入されます。
実績と信頼性
FPTのAIシステムは、すでに世界中の多くの銀行や金融機関で実績を上げています。例えば、ベトナムのSacombankでは、AIボイスエージェントを導入することで、コール対応能力が58%以上向上し、1日当たり41,000件以上の通話を処理可能にしたとのことです。このように、事例はFPTが提供するソリューションの実効性を証明しています。さらに、これにより顧客体験が向上し、顧客の満足度を示すネット・プロモーター・スコア(NPS)も改善しています。
また、すべてのプラットフォームにおいて、 AgoraとFPTの技術は高い安全性を確保しつつ、規制遵守の基準も満たす設計となっています。AgoraのCEOトニー・ジャオ氏は、「インドネシアにおける金融サービスのデジタル化が進む中で、信頼性と安全性、コンプライアンスが同じくらい重要です」と述べ、双方の技術がこのニーズに応える形で結実することを示唆しています。
今後の展望
AgoraとFPTのパートナーシップは、東南アジアの金融業界の未来に大きな影響を与えることでしょう。両社の協力により、地域内の銀行や金融サービスプロバイダーは、顧客に対し、より良いサービスを提供できる体制を整え、競争力を高めていくことが期待されています。
この動きが、他の地域にも波及することを願っています。今後もこの両社の進展に注目が集まりそうです。