日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」の発売について
2026年2月2日(月)、第一三共ヘルスケア株式会社は日本初のOTC(一般用)緊急避妊薬「ノルレボ®」を発売すると発表しました。この製品は、2011年に医療用医薬品として初めて発売された「ノルレボ®錠1.5mg」と同じ成分を含んでいるため、市販での入手が可能となります。これにより、緊急避妊薬が処方箋なしで薬局やドラッグストアで気軽に購入できるようになります。
ノルレボの特徴
「ノルレボ」は、間違って避妊に失敗した場合や、避妊を行わなかった場合に妊娠を防ぐための医薬品です。世界で初めて合成黄体ホルモン「レボノルゲストレル」を配合したこのブランドは、国際的にも広く利用されています。レボノルゲストレルは世界保健機関(WHO)により「必須医薬品」として評価されています。
この薬の作用は、主に性交後72時間以内に服用することで効果が発揮されます。服用率は81%とされ、早めに服用することでより高い妊娠阻止率が期待できます。
購入方法と販売の条件
本製品の購入には、緊急避妊薬の研修を受けた薬剤師による確認が必要です。購入者は本人に限られ、持ち帰りしての服用は認められません。また、年齢制限もなく、パートナーや親の同意がなくても購入可能です。ただし、性交から72時間を超えた場合や、製品の注意書きに従った相談が必要な場合、販売されないことがあります。
この製品は、厚生労働省が定める要件を満たした薬局や店舗でのみ販売されます。第一三共ヘルスケアでは、製品発売に当たって、店舗の検索システムを準備し、緊急避妊薬へのアクセス向上を目指しています。
社会的な背景
第一三共ヘルスケアによる調査によると、18~49歳の日本在住女性約1,025万人が性行為の経験があり、そのうち妊娠のリスクを経験した人が約210万人に上ります。日本で最も一般的な避妊方法は男性用コンドームですが、装着の失敗による妊娠リスクは0.2%から13%に達することもあります。このことから、計画的な避妊だけでなく、万が一のリスクに対する知識を持つことが重要です。
日本では毎年約13万件の人工中絶が行われており、特に若年層の件数が増加しているのが現状です。この背景には緊急避妊薬に対する知識不足や、タイミングによる医療機関の受診の困難さが影響しています。市販化により、必要とする女性が素早く必要な対応を取れるようになることを目指しています。
ノルレボブランドの使命
医療用医薬品の「ノルレボ」の発売以降、世界で90カ国以上でOTC医薬品としての購入が認められています。このたびの販売開始により、日本国内でも緊急避妊薬に対するアクセスが受付られるようになりました。第一三共ヘルスケアは「ノルレボ」ブランドを通じて、正しい避妊に関する教育や、注意すべきことについての知識を広めていくことに取り組みます。
参考情報
「ノルレボ」の詳細については、第一三共ヘルスケア公式サイト(https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_norlevo/)をご覧ください。2026年1月中旬にオープン予定です。
第一三共ヘルスケアは、生活者が自ら選択し購入できるOTC医薬品を提供することを理念に、医療ニーズに応えてきました。正しい知識を広め、個々が自身の健康を守ることを推進することを目指しています。