テラヘルツ波を用いた無線LANの新技術
テラヘルツ波を活用した超大容量無線LAN技術が、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)や複数の大学および企業と共同で開発されました。この技術は、150GHz帯と300GHz帯という新しい周波数帯を用いることで、通信の大容量化と同時多接続を可能にします。
背景
近年、5Gの広がりやAI技術の進展、さらには高解像度の映像技術が発展しています。これに伴い、通信回線のトラヒックが増加し、より大容量で同時に多くのデータを処理する技術が求められています。また、ARやVRなど新たなデジタルコミュニケーションツールの普及により、ますます高い通信性能が望まれています。
データセンター内では、大量のデータ処理が行われるため、配線の問題がしばしば課題となります。これがサーバーの移設を困難にし、運用効率を下げる要因となっています。このような環境でも、テラヘルツ波を利用した無線LAN技術が導入されることで、配線の束縛から解放され、柔軟で効率的なレイアウトが可能になります。
研究の成果
今回の共同研究では、以下のような技術の確立に成功しました:
- - 超小型多素子アンテナモジュール化技術(RF-IC、アンテナ・伝搬解析など)
- - 300GHz帯における2次元フェーズドアレーによる30度のビーム制御が可能なトランシーバ
- - 150GHz帯における双方向通信システムや伝搬路制御技術、無線リソース制御技術、複数の周波数帯を利用した接続先アクセスポイント検出技術
これらの技術は、今後の無線通信の進化に大きく寄与するです。特に高速通信が必要な場面での活用が期待されており、データセンターだけでなく、様々な産業分野への適用が見込まれています。
今後の展望
この研究成果は、2025年11月26日から28日に開催されるMWE2025で展示される予定です。また、11月27日にはワークショップ「テラヘルツ波による超大容量無線LANの実現に向けた最新技術動向」が行われ、今回の研究の詳細が紹介されます。この機会に、テラヘルツ波技術の最新情報や未来の通信技術の方向性を学ぶことができるでしょう。
今後も、テラヘルツ波を利用した技術が進化し、無線通信の可能性を広げることが期待されています。データ通信の分野での革新は目が離せません。是非、今後の動向に注目していきましょう。