最近、株式会社物語コーポレーションは、焼肉食べ放題専門店「焼肉きんぐ」を運営する中で、先進的な食品衛生管理ソリューション「@Form for HACCP」を導入しました。この取り組みは、当社が経営方針として掲げる「新たな価値創造を加速させるDX(デジタルトランスフォーメーション)」の一環として位置づけられています。
物語コーポレーションは、愛知県豊橋市に本社を置き、1949年から飲食業に従事しています。多様な外食ブランドを展開しており、特に「焼肉きんぐ」は多くの顧客から支持を受けています。経営理念には「Smile & Sexy」を掲げ、ダイバーシティやインクルージョンを重視しており、顧客満足度の向上を目指しています。
このたびの衛生管理ソリューションの導入は、紙帳票による従来の管理方式からペーパーレス化に移行する大きな一歩です。以前は、衛生管理の日報を紙で記録・保管し、冷蔵機器の温度確認、消毒作業の実施、納品食材の状態、従業員の体調などを面倒な手作業で行っていました。このプロセスからは、記録漏れや帳票の紛失といったリスクがつきまといましたが、「@Form for HACCP」の導入により、こうした課題を克服できる可能性が開かれました。
新システムは各店舗の衛生管理業務をデジタル化し、業務の効率化を実現します。具体的には、ダッシュボードの導入によって衛生管理の実施状況をリアルタイムで確認することが可能となります。異常がある場合には迅速にアラートが表示され、早期対応ができる体制が整っています。このように、店舗指導もより迅速かつ的確に行えるようになるのです。
また、巡回業務の効率化も大きな利点です。これまで遠方のエリアマネージャーが紙帳票の上で目視確認を行っていましたが、今後はデジタルシステムにより、作業時間を大幅に削減できる見込みです。これにより、マネージャーはより多くの時間をスキルの向上や現場サポートに充てることができるようになります。
さらに、実施状況の見える化によって、記録ミスや改善点が明確化され、全社員が同じ情報を元に指導を行うことで、属人的な指導からの脱却が進みます。衛生管理をするパートナーたちも「自分の責任」として自発的に意識が向上し、職場環境が一層向上することでしょう。
「@Form for HACCP」は食品業界におけるHACCP対応のため、衛生管理や点検、記録作業を効率化し、データ化を簡素化するクラウドサービスです。作業現場ではタブレットやスマートフォンを使って点検内容を簡単に記入することができ、基準値逸脱や未記録時にはリアルタイムで通知が届きます。これにより、作業の進捗状況や帳票の確認・承認もリモートで行えるため、業務の負担を軽減し、素早い対応が可能になります。また、温度管理専用のデバイスとも連携し、記録ミスや改ざんを防ぐ機能も強化されています。停電時でもデータは確実に記録され続け、食品廃棄のリスクを最小限に抑えることが期待されています。
今回の「@Form for HACCP」の導入を通じて、物語コーポレーションは新しい時代の衛生管理業務を確立し、さらに高い品質の店舗運営を実現するための土台を築いていくことでしょう。顧客に安心してサービスを提供し続けるために、これからも技術的改善に努めていく姿勢が感じられます。