調査概要と背景
2025年9月、株式会社ジェイックは、株式会社アスマークに依頼し、「年代別管理職の課題と組織に与える影響」に関するアンケート調査を実施し、企業経営者や人事担当者400名から得た回答を元に結果を発表しました。この調査は、組織における管理職育成の重要性がますます高まる中で、年代ごとの特有の課題を考察するものでした。
管理職の課題の進化
調査によると、若手の20代・30代管理職は「目標達成に向けたチームマネジメント」を主な課題として挙げており、その重要性を強く感じていることが示されました。具体的には、20代では24.5%、30代では23.8%がこの課題を選びました。また、30代管理職においては他部署との連携やコミュニケーション力の不足も課題として挙げられています。これが、業績に直結する課題意識につながっていることが分かりました。
40代になると、課題はより複雑化し、「部下の強みを活かしたチームビルディング力」が最も多く、次いで部下を動かすコミュニケーション力が続きました。これは、部下を動かしながらチーム全体を最大化する力が求められていることを示しています。
50代管理職では、「目標達成に向けたチームマネジメント」と「部下を動かすコミュニケーション力」が上位を占めており、その一方で、後進育成を意識した権限委譲やキャリア支援も課題として浮上しました。これにより、次世代のリーダー育成が不可欠であることが強調されます。
60代管理職の場合も「目標達成に向けたチームマネジメント」が挙げられているものの、その他の課題は10%前後で拮抗しており、個別の課題が多様化していることが示唆されています。
組織に与える影響
次に、管理職の課題が組織に与える影響について調査が行われました。およそ70%の経営者・人事担当者が管理職の課題が組織に影響を与えていると感じていることが明らかになりました。特に、チームマネジメントの不足は短期的・長期的な業績悪化に直結する可能性が高いとされています。
管理職が地域や部門の連携不足を解消できなければ、企業全体の成長スピードや新たなシナジー創出が停滞する恐れがあります。さらに、部下の強みを活かせない管理職は、部下のモチベーションやエンゲージメントの低下を招くことが指摘されています。
調査の考察
株式会社ジェイックの取締役・近藤は、現在の働き方の変化や部下の価値観の多様化が、管理職の役割に大きく影響していると述べています。単に指示や命令で成果を上げる時代は過去のものとなり、管理職には一人ひとりの特性を活かす能力が求められています。このため、企業は管理職育成において、年代や役割ごとの支援を行うことが重要です。
特に、若手管理職に対しては早期からマネジメントスキルを強化し、中堅層の管理職には幅広いマネジメント能力を体系的に向上させる機会が必要です。これによって次世代人材の育成と組織の持続的成長へとつながることが期待されています。
まとめ
総じて、30年間の企業研修の実績を持つ株式会社ジェイックは、今後も組織内の管理職育成をサポートし、それぞれの役割に応じた育成プログラムを提供していく方針です。年代別の特性を理解し、個々の課題を解決することが、管理職の成長と組織全体の発展に寄与することを信じています。