俳優の岸谷五朗さんが2024年11月18日、福井県越前市の「越前国府千年のときをつむぐ大使」としての活動を始めることが発表されました。この役職は初めての試みであり、岸谷さんは大河ドラマ『光る君へ』での役柄をきっかけに、越前市との深い縁を持つことになりました。
越前市は、紫式部の父、藤原為時の出身地であり、彼女が生涯で唯一都を離れて暮らした地でもあります。市は1500年の歴史を持つ越前和紙や越前打刃物、越前箪笥などの伝統工芸品が集まる場所であり、そうした文化を未来へ伝えていく使命が与えられています。
岸谷五朗さんは、セレモニーの際に自身の役割について語り、越前市に何度も訪れてきた経緯や、楽しい思い出を共有しました。特に、越前和紙の紙漉きを体験した際の感動を述べ、紙漉き職人から学んだ技術がどれほど素晴らしいものであったかを話しました。彼にとって、越前和紙は特別な存在であり、初めて購入したレターセットも越前和紙製だったと明かし、越前の魅力を多くの人に知ってもらいたいという想いを語りました。
セレモニーは「光る君へ 越前 大河ドラマ館」で開催され、ミニトークでは、役作りやドラマにまつわる興味深いエピソードが語られました。越前編の撮影時には、実際の越前和紙職人がセットに参加し、リアリティのある紙漉きのシーンが実現しました。岸谷さんはこの経験を通じて、地域の文化と向き合うことの大切さを感じている様子でした。
また、越前国府の発掘調査にも触れ、次々と新しい発見があることに感動し、これから将来にわたって歴史的な大発見が期待できると述べました。千年前の出来事が明らかになっていく過程に胸が躍り、彼自身もその歴史に少しでも関わっていきたいと強く思っているようです。
さらに、岸谷さんは越前海鮮に心を奪われたことで知られ、特にカニを堪能したことを楽しそうに語りました。地元の日本酒を使った飲み方にもこだわり、越前の食材を堪能することが重要であると述べ、海鮮好きに対して越前訪問を勧めました。
セレモニーの最後には、市長から越前和紙の委嘱状を受け取った岸谷さんが、自身への期待を込めたメッセージを述べていました。自身が大使として越前の文化や歴史を広げる役割を果たすことを楽しみにしており、また訪問先でもその魅力を広めたいと願っているという姿勢が印象的でした。岸谷五朗さんが大使として活動することで、越前市が世界にその魅力を発信し、地域活性に寄与することが期待されています。