国際協力セミナー
2025-06-27 11:15:24

ブラマプトラ川に関連する国際協力セミナーの開催報告

ブラマプトラ川と国際協力:オンラインセミナーを振り返る



先日、公益財団法人日本グローバル・インフラストラクチャー研究財団が主催するオンラインセミナーが開催されました。このセミナーは、2025年5月29日にはじまり、世界銀行の上級水資源管理専門官である田中幸夫氏を講師に迎え、「川がつなぐ国と国―ブラマプトラ川から見る国際機関業務の現場―」をテーマに行われました。

セミナー開催の背景



国際河川を巡る問題は、近年多くの国で議論の中心となっています。国際協力に対する懐疑的な意見が増えている中で、本セミナーでは実際の現場に基づいた「見えないインフラ」としての国際協力基盤に光を当てることが意義だという考えから企画されました。ブラマプトラ川流域の国々—インドのアッサム州やブータン、バングラデシュ—における大規模なプロジェクトが取り上げられ、その中で「国境を越える水」の管理が平和と協力の向上にどのように寄与するのかが深堀りされました。

ブラマプトラ川の課題とプロジェクトの概要



講演の中で田中氏は、ブラマプトラ川の特性や課題について詳細に説明しました。この川は、中国から水源を取り、インドとバングラデシュを経てベンガル湾に流れ込んでいます。特にアッサム州では、川の豊富な流量が洪水や河岸浸食を引き起こし、地域の紅茶産業にも影響を及ぼしています。世界銀行はこの問題に対処するために挙げられた「アッサム統合河川流域管理プログラム(AIRBMP)」に重点を置いており、ブラマプトラ川に関与する様々なステークホルダーとの連携が進められています。

国際機関の役割と地域協力



セミナーでは、国際機関が地域間の協力をどのように促進しているかについても議論が行われました。田中氏は、国際河川の管理には、多様な利害関係者の調整が不可欠であると強調しました。そして、農業水利などで使われる「上流優位」や「古田優先」の原則も国際的な協力に影響を与える要素であるとし、国内外での枠組みが重要であることを改めて指摘しました。特に、南アジア地域では、河川に対する協力は政治的なタブー視される場合も多いため、その克服が新たな発展に繋がると考えられています。

セミナーを通じた参加者の関心



質疑応答の時間では、気候変動が国際河川の協力に与える影響や、具体的な国間の対立事例についても掘り下げられました。参加者からは、ブラマプトラ川を巡る地域・国際機関の協力に関する関心が非常に高いことが分かりました。また、地区間協力事業に関する現状や教訓、国際機関が果たすべき役割についても多くのハイライトが取り上げられました。

最後に



最後に、ウェビナーは参加は無料で、今後の地域協力の進展に期待が寄せられる内容で締めくくられました。この取り組みが国際河川の管理における新たな協力モデルとなることが期待されています。下流国と上流国の間で新たな理解が築かれ、多国間協力が進展することで、国際的な水資源の管理がより持続可能な方法で進められることが望まれます。

田中幸夫氏

このセミナーの録画は、上記のYouTubeリンクから視聴可能です。


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