部下のパフォーマンスと上司のコミュニケーションの関係
株式会社コーチ・エィが実施した最新の調査によると、部下のパフォーマンスは上司とのコミュニケーション形態によって大きく左右されることが明らかになりました。この調査は、404名のビジネスパーソンを対象に、上司と部下間の「共創的なコミュニケーション」とその結果について分析したものです。特に、上司が部下を理解し支援しようとしていると感じる信頼関係が、部下のモチベーションや自己効力感を向上させる要因であることがわかりました。
調査の内容と結果
調査では、部下のパフォーマンスや成長意欲に対する自己評価が異なるグループに分けられ、上司とのコミュニケーションスタイルがどのように影響を及ぼしているかが分析されました。パフォーマンスが高いと自己評価する部下のうち、約33%は「共創的なコミュニケーション」を取っており、逆にパフォーマンスが低い部下の50%以上が「当たり障りのないコミュニケーション」にとどまっています。この結果は、上司とのコミュニケーションの質が、部下自身の業務に対する意欲や成果に影響を及ぼしていることを示しています。
さらに、共創的なコミュニケーションが行われている場合、部下は仕事の目的や役割を理解しやすくなり、組織全体へと貢献しやすくなると推測されます。これに対し、単なる形式的なコミュニケーションでは、部下が業務に対して懐疑的になってしまうこともあります。
コミュニケーションの質と信頼関係
調査では、「上司が自分を理解してくれている」と感じる信頼関係が、共創的なコミュニケーションを促進する要因とされています。共創的コミュニケーションを実施している部下は、業務に関する多様なテーマについてもオープンに話す傾向があり、仕事の目標を上司が明確にしようと努めていると感じています。これに対し、当たり障りのないコミュニケーションを取っている部下の約80%が、上司との関係に不満を持っています。信頼関係の構築が不可欠であることが明確になっています。
組織文化への影響
共創的なコミュニケーションは、単に部下個人のパフォーマンスにとどまらず、組織全体の文化を形成する要因ともなりうるのです。上司と部下が意見を交換し合い、協力し合うことで生まれる信頼感は、チームの cohesion(結束)を高め、企業のイノベーション活動を支える土壌を作ります。それにより、企業が持続的に成長し続けるための基盤が整います。
今後の展望
コーチング研究所では、上司が日頃から部下と対話を重ね、信頼関係を築くための取り組みを強化することが、今後ますます重要になると考えています。リーダーが双方向のコミュニケーションを実践し、部下の主体性を尊重する姿勢が求められます。これにより、組織全体の活力を引き出し、持続的な成長を実現することが期待されます。コーチ・エィでは、システミック・コーチング™を通じて、リーダーの変革や対話に基づく組織改革を支援していく方針です。