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高校新卒採用市場の変革を目指すエントリ

日本の高校卒業後、すぐに社会に出る若者のうち、3年以内に離職を果たす割合が約36%を超えるという調査結果があります（厚生労働省）。特に企業の人手不足が深刻化している、若年層の確保が困難であることから、高校新卒採用市場は新たな注目を集めています。それに伴い、これまで高校生の採用を行ってこなかった企業も採用活動に参加しはじめています。

実際、高校生向けの求人数は過去10年間で約2.8倍に増加しており、今後もこの傾向が続くと予測されています。しかし、就職活動のスタイルは60年以上変わらず、多くの高校生が直面する自らのキャリア選択においての情報不足が懸念されています。これには「学校斡旋」という仕組みが深く関与しており、企業と生徒の直接的なコミュニケーションが限られています。企業からの求人情報は紙ベースで送付され、その紙の求人票を生徒が閲覧する形が基本とされています。そのため、企業側は生徒が求人票を見たかどうか把握することができず、効果的な採用活動が難しい現状です。

このような課題を解決するため、エントリは2022年に新しいHRサービスを導入しました。成人年齢が18歳に引き下げられるタイミングに合わせ、高校生の主体的な意思決定を促すべく「entli for School」サービスを東京都を中心に展開しました。このサービスは、企業からの求人票をスキャンしデジタル化することで、生徒がスマートフォンから簡単に求人情報にアクセスできるようにしています。その結果、教員の業務負担も軽減され、ある教員からは「業務時間が約80%削減された」との声も寄せられています。

さらに、2023年4月には企業向けの新機能「entli for HRbiz」が提供予定です。これには、求人票に対する生徒の閲覧状況を可視化する機能が含まれます。企業は自身の求人がどのように受け取られているかを把握でき、必要な情報をより効果的に生徒に提供できる環境が整います。このようなデジタル技術を活用したサービスの導入によって、多くの高校生の就職活動体験は大きく変わることが期待されています。

エントリの代表者、正吉さんは「60年変わらない高校生の就活に革命を」というミッションのもと、高校生がより良い環境で就職活動を行えるよう活動しています。彼は、現場の声に耳を傾け、先生や企業と密にコミュニケーションをとることで、求められるサービスを提供し続けています。同社の取り組みを通じて、若い世代が明るい未来に向かって羽ばたける環境作りに寄与することを目指しています。

新規の投資家からも高い評価を獲得しており、特に高校教員の負担軽減に貢献しつつ、導入がスムーズである点が支持されています。今後もエントリは、若者の就職活動を支援し、健全な労働市場を構築するための取り組みを続けていくでしょう。

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