日本の半導体産業復興へ向けた挑戦
日本の製造業を支える半導体産業が、近年、深刻な人材不足に悩まされています。そこで、木村情報技術株式会社と有明工業高等専門学校が手を組み、次世代の半導体技術者を育成するための新たなプラットフォーム「COGAKUSEE(コウガクシー)」の無償提供に関する契約を結びました。
1. COGAKUSEEの概要
「COGAKUSEE」は、全国の高等専門学校の学生が、自分のペースで半導体設計技術を学べる環境を提供します。このプラットフォームの特徴は、実際の設計現場に即したカリキュラムの提供です。「立体的な半導体設計を学ぶ」ための第一歩となるでしょう。
1.1 半導体技術者育成の急務
現在、日本では半導体技術者が激しく不足しており、国内の製造業の競争力が低下する一因となっています。この課題を解決するため、木村情報技術は2013年から有明工業高等専門学校と共同研究を重ねてきました。そして、このたび「COGAKUSEE」を通じて技術者育成を加速させることとなりました。
1.2 サーキットデザイン教育センター
2025年4月には、有明高専内に「サーキットデザイン教育センター」が設立される予定です。このセンターは、半導体設計教育の核となる場所として機能し、同校の石川洋平教授が監修する形で運営されます。教授が提唱する「サーキットデザイン教育」に基づき、理論だけでなく実践的な技能が身につく教育が行われます。
2. COGAKUSEEの特長
「COGAKUSEE」には、以下のような特長があります。
2.1 実践的カリキュラム
株式会社ジーダットとの提携により、国内で広く使用されているEDAツール「SX-Meister」を活用した講義が提供されます。このツールを使った実践的な回路設計の講義を通じて、学生は即戦力となる技能を身につけることができます。
2.2 学習意欲を高める仕組み
プラットフォームには、学習進捗や課題スコアが一目で確認できる機能が搭載されています。また、ランキング機能により、全国の学生と競い合いながら学ぶことができ、学習意欲を高める効果も期待されています。さらに、社会人基礎力などのスキルもオンラインで学習できるため、総合的な人材育成が行えます。
2.3 就職活動の新しい形
「COGAKUSEE」では、学生の学習履歴が自動的にポートフォリオとしてまとめられます。企業側から出される課題に挑戦する「Innovative Quest~企業からの挑戦状~」機能を利用すれば、学生は問題解決能力をアピールできます。企業は熱意のある学生を直接応援することができ、従来のマッチングを超える新たなエコシステムの構築が期待されています。
3. 日本の未来に向けた取り組み
「COGAKUSEE」の無償提供契約を通じて、高専が質の高い教育を受けるための経済的ハードルを下げることが目指されています。学生たちには、実践的な知識を学ぶチャンスが与えられることで、業界全体が活気を取り戻し、日本の半導体産業の復権に一歩近づくことでしょう。
お問い合わせ先
本件に関する詳細は、以下の連絡先までお問い合わせください。
有明工業高等専門学校
総務課連携推進係
TEL:0944-53-8627
E-mail:
[email protected]
木村情報技術株式会社
経営戦略室広報担当
TEL:0952-97-6100
E-mail:
[email protected]