現代美術作家・山本基の個展「彩りの記憶」について
この秋、金沢でまたひとつの素晴らしいアートイベントが開催されます。現代美術作家・山本基氏の個展「彩りの記憶」が、元ちゃんハウスの9周年記念に伴い、2025年11月23日から12月14日まで行われます。元ちゃんハウスと山本氏との関わりは、2018年にさかのぼります。当時、まだギャラリーケアリングが開設される前の元ちゃんハウスの2階で行われた作品展が始まりでした。今回の個展は、そのご縁が続いている証でもあり、山本氏の深い感謝の気持ちが込められています。
山本基氏のメッセージ
山本基氏は、作品を通じて自身の思いを表現しています。彼は、故人となった妻との美しい思い出を「紫色の木蓮」として塩で描きました。この展示を通して、彼の作品がどのように時間や記憶を映し出すのかが体感できることでしょう。特に、彼の塩で描かれた作品は、海へ還る自然の営みを彷彿とさせ、訪れる人々に生命の大切さを伝えてくれます。
さらに、山本氏は昨年に発生した能登半島地震で、彼が参加していた奥能登国際芸術祭の会場も被災しました。彼の作品は破壊され、その欠片が「記憶のかけらプロジェクト」として新たな形に生まれ変わっています。このプロジェクトを通じて、参加者は塩を樹脂に封じ込めてアクセサリーを制作するワークショップも行えます。作品がただ消えてしまうのではなく、形を変えて生き続ける様子が、訪れる人々に深い感動を与えることでしょう。
展示内容
「彩りの記憶」展では、塩を使った多様な作品が展示されます。山本氏の新たな積層シリーズや、デジタルドローイング作品もあり、光の線が静かに広がり、消えていく様子を描いています。これらの作品は、人の歩みや記憶がいかに移ろい行くかを示しており、観る人に深い思索を促すことでしょう。
9周年記念イベント
また、初日である11月23日は、多彩な関連イベントも展開されます。まず、午後11時から15時にかけて行われる「記憶のかけらプロジェクト」のワークショップでは、小さなお子様から大人まで、自分だけのアクセサリーを作ることができます。この体験は、地震の影響を受けた方々への特別な招待として、無償での参加も用意されており、地域の皆さんにも心温まる機会となります。
次に、同日の15:30から16:30まで、アーティスト・トーク「忘れないためにつくり続ける」が開催されます。こちらのトークは予約不要で、参加無料です。ぜひとも多くの方に足を運んでいただき、山本氏の思いと作品の深さに触れていただきたいです。
最後に
「彩りの記憶」展は、ただのアート展示に留まらず、がん患者とその家族への感謝と応援の気持ちが込められています。作品販売も行われ、その一部は元ちゃんハウスの活動支援に寄付されます。この素晴らしいアートの機会を通じて、記憶と時間、そして私たち人間の繋がりについて考えるきっかけとなることを願っています。金沢の地で、アートを通じた心の交流が生まれることを楽しみにしています。