新たな「羅生門」
2021-07-12 11:17:21
勅使川原三郎が描く新たな「羅生門」の舞台が誕生
ダンスに蘇る芥川の名作「羅生門」
勅使川原三郎が手掛ける新たな舞台作品「羅生門」が、今、注目を集めています。この作品は、芥川龍之介の一作である「羅生門」を基にしており、現代の感覚で再解釈し、ダンスという表現方法を通じて新たに息を吹き込む試みです。
誰もが感じる人間の葛藤
「羅生門」には、飢餓と疫病が蔓延する厳しい時代における人間の姿が描かれています。勅使川原は、この作品を通じて、人々が極限の状態に置かれた時にどのような行動を取るのか、そしてその中に潜む欲望や葛藤を探求することを目指しています。このテーマは、コロナ禍においても多くの人々が感じるものではないでしょうか。
芥川の筆致をダンスで表現
勅使川原は、文学作品としての芥川の独特な表現方法や文体を充分に理解し、それをどうダンス表現に生かすかという興味深い試みに挑んでいます。特に、羅生門に住む鬼の存在に焦点を当て、そこから生まれる幻想的かつ切実な表現を目指しています。彼は「物語をそのままダンスで見せるのではなく、どう表現するかが重要」と語っており、その言葉からは彼が追い求める芸術的探求心が感じられます。
スタッフも多彩な顔ぶれ
この公演には、勅使川原のアートコラボレーターでもある佐東利穂子や、ゲストダンサーとして活躍するアレクサンドル・リアブコも参加しています。リアブコは、現代バレエ界のスターであり、今回の挑戦に意欲を燃やしているといいます。また、音楽では笙奏者の宮田まゆみが重要な役割を果たしており、東洋の伝統楽器である笙の音色が、ダンスと絶妙に響きあうことで、作品に深みを与えています。
復活する舞台芸術
昨年は新型コロナウイルスの影響で予定されていた作品が中止となり、多くの舞台芸術が停滞を余儀なくされました。しかし、今回の公演は勅使川原とKARASにとって2年ぶりの東京芸術劇場での上演となります。この久々の舞台で、観客にどのような体験を提供できるのか、大きな期待が寄せられています。
まとめ
勅使川原三郎版「羅生門」は、舞台芸術の新たな可能性を示す作品であり、多くの現代人が抱える葛藤と向き合わせることができるものです。文学とダンスの融合が生み出す新たな表現に、ぜひご期待ください。
会社情報
- 会社名
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有限会社カラス
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