新開発の石突を全国の盲学校に届けるためのクラウドファンディング
金沢大学が新しく開発した石突、つまり白杖の先端部分を全国の盲学校に提供するためのクラウドファンディングを実施しています。目標金額は450万円で、2025年4月17日までの期間限定で募金を集めています。このプログラムは、「READYFOR」というプラットフォームで行われ、特別支援学校の児童生徒に安心して使ってもらうことが目的です。
プロジェクトの背景
近年、特別支援学校の教員は研究費を獲得するのが難しい状況にあり、新しい製品の開発が進みにくい環境にいます。一方、企業は視覚障がい者用の石突の販売可能性に懸念を抱き、商品化に消極的だったため、その状況が数年にもわたって続いていました。それを受け、新たにクラウドファンディングの手法を取り入れることとなりました。多くの人から支援を集めることで、子どもたちへの支援を実現し、同時に新たな商品として石突を普及させることを狙っています。
新開発の石突とは?
この新しい石突は、特別支援学校の教諭である吉岡学さんが自身の研究を基に開発したものです。視覚障がいの子どもたちが白杖を使って歩く際には大きな不安が伴いますが、今回の石突は路面状況を的確に把握できる優れた性能を持っています。実際に使用した子どもたちからは「歩くのが楽しい」という感想も寄せられています。
特徴と技術的な進歩
この新しい石突は、視覚障がい者からのヒアリングを元に作られ、性能をデータ化した上で特許も取得しています。また、「人間工学グッドプラクティス賞最優秀賞」も受賞しており、非常に高い評価を得ています。一般的な石突に比べて、路面状況の把握能力が向上し、安全性や耐久性が確保されています。さらに、軽量化が成功したことで、子どもたちでも扱いやすくなっています。
リターン内容と支援の仕組み
クラウドファンディングでは、支援者へさまざまなリターンも用意されています。例えば、3,000円の支援ではお礼のメッセージを含む画像が送られ、50,000円の支援では特別支援学校の知的障がいの子どもが描いた絵をポストカードにしてお届けします。また、100,000円の支援者には特別支援学校の子どもたちが授業の過程で作成したアンブレラマーカーなども提供されます。特に、知的障がいの子どもたちが自発的に関わるリターンは、彼らが「協力したい」との意思で作られたものです。
プロジェクト概要
このプロジェクトの目標は、全国の盲学校の子どもたちに新開発の石突を届けることです。支援は、2025年2月17日から4月17日まで受け付けており、詳細は「READYFOR」のページで確認できます。
- - プロジェクト名: 新開発の石突を全国の盲学校の子どもたちに
- - 期間: 2025年2月17日 9:00 ~ 4月17日 23:00
- - URL: READYFORこちら
会社概要
金沢大学は1949年に設立され、教育と研究を主な事業としています。現在、代表を務めるのは学長の和田隆志氏です。大学附属特別支援学校がこのプロジェクトを推進しており、視覚障がい者支援に貢献する活動を積極的に行っています。
この取り組みを通じて、視覚障がいのある子どもたちがより快適に外出できる環境を整備し、その結果、支援の輪が広がっていくことを期待しています。