神奈川で進化する避難所用電源、曲がる太陽電池の実験開始
2026年1月より、神奈川県厚木市の総合防災センターにおいて、株式会社ベイサンを中心にペクセル・テクノロジーズおよびアキレスとの共同プロジェクトが始動します。このプロジェクトの目玉は、「曲がる太陽電池」を用いた可搬型の発電および蓄電システムの実証実験です。この取り組みは、神奈川県からの補助金を受けたもので、災害時における避難所の電力供給の課題を解決するためのものです。
新技術の紹介
本実験のキーアイテムであるペロブスカイト太陽電池は、独自の特性を活かして、薄く軽量でありながらも高い発電能力を持つのが特徴です。発明者である桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授の設立したペクセル・テクノロジーズは、この次世代型太陽電池の開発に取り組んでおり、災害用エアーテントに設置することを目指しています。
災害用エアーテントの魅力
アキレスが手がける災害用エアーテントは、日本初の陰・陽圧式を取り入れ、災害時に必要となる現場対応拠点や医療救護所、物資保管所として広く活用されています。これにペロブスカイト太陽電池を組み合せることで、電力供給の効率化が図られます。
蓄電池システムの開発
ベイサンは、通常のリチウムイオンバッテリー技術に特化し、ペロブスカイト太陽電池からの電力を貯める蓄電システムも開発中です。これにより、災害時における電力の確保が一層容易になります。
実証実験の詳細
この実証実験では、特に「薄くて軽い」というペロブスカイト太陽電池の特性を生かし、折り畳み形状のパネルが製作され、エアーテントの屋根や庇部に設置される予定です。日中は太陽光を利用して発電、生成された電力は蓄電池に蓄えられ、夜間の電力供給に活用されるという流れです。
期待される成果
実験を通じて、屋外での発電量や蓄電池への充電状況、電源供給のデータが収集され、今後の製品開発に活かされます。このシステムが実用化されれば、災害時の電力確保の選択肢の一つとして大いに期待されます。
株式会社ベイサンの背景
ベイサンは、リチウムイオンバッテリーシステムの設計、開発、製造を手掛けており、25年にわたる技術のノウハウを基に、新たなソリューションを提供しています。今後もさらなる革新を追求し、社会課題に取り組む姿勢が求められています。
本実験は、災害時の電力供給の不安を軽減し、より安全な避難所環境を実現するための重要なステップです。今後の進展から目が離せません。