フィン・ユール生誕100年記念展開催
デンマークの著名な建築家であり家具デザイナー、フィン・ユールの生誕100年を祝う特別展「The Universe of Finn Juhl」が、東京・新宿のパークタワーホール・ギャラリーにて開催されます。この展示会は、彼の独自のデザイン世界を体感できる貴重な機会です。
フィン・ユールのデザイン哲学
フィン・ユールは、1950年代にデンマークのデザインを世界に広めた立役者として知られています。当時の主流デザインに挑戦し、彼自身の自由なモダンアートの影響を受けた形で独自のデザインスタイルを確立しました。特に「イージーチェアNo.45」や「ペリカンチェア」といった彼の家具は、複雑な曲線を持つオーガニックな形状が特徴です。これらの作品は、フィン・ユールが提唱した「自由な人体の容れもの」という理念を具現化しています。
展示内容とキーハイライト
本展示会では、フィン・ユールの作品のディテールやクラフトマンシップを深く掘り下げ、約50点のプロトタイプが展示されます。中でも注目は、「アームチェア No. 44」の100周年記念復刻モデル。世界でわずか12脚しか存在しないこの幻の作品は、なんと100脚のみ製造され、日本で初めての展示となります。
また、展示は単なる視覚体験にとどまらず、来場者が実際に作品に触れ、その魅力を体感できる機会が設けられています。フィン・ユール自身が描いたスケッチや図面、デザインを元にした巨大なモビールも展示され、彼のデザインの軽やかさや自由な感覚を感じられることでしょう。
学術的な発表も
展示と合わせて、東海大学の教授陣によるフィン・ユール邸の実測研究も発表されます。さらに、フィン・ユールが手掛けたニューヨーク国連本部信託統治理事会会議場の改修に関連する作品も展示され、その過程で復刻された「FJ51」モデルも紹介されます。この点において、デンマークの新進デザイナー、キャスパー・サルトとトマス・シグスゴーの作品も登場し、フィン・ユールの影響が現代デザインに如何に受け継がれているかが見て取れます。
参加方法
- - 開催期間: 2012年1月28日(土)~2月11日(土) 10:30~19:00
- - 会場: 新宿パークタワーギャラリー1 (東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー1F)
- - 入場料: 無料
初日の28日はレセプションが行われ、一般の方の入場は17時までとなります。
関係者の声
プロデューサーのソーレン・ウルリック・ピーターセン氏は、「来場者にはフィン・ユールのデザインの官能性を実感していただけるよう、一部の作品に触れる機会を設けました」と語っています。また、Onecollection代表のヘンリク・ソーレンセン氏は、「フィン・ユールのデザインを後世に伝えることが重要です。そのための展示です」と話しました。
この展示会は、フィン・ユールのデザインをただ見るだけでなく、その確かな手触りや座り心地を体感できる貴重な機会です。デザインに興味のある方は、ぜひ訪れてみてください。