日本語学習教育の新たな風『くらしスタディ for beginners』
2025年10月10日、SUN株式会社より日本語ビギナー向けデジタル学習教材『くらしスタディ for beginners』がリリースされることが発表されました。この製品は特に外国籍の児童や生徒向けに設計されており、教育現場の深刻な課題に対処するために開発されています。近年、外国にルーツを持つ児童生徒の数が急増し、文部科学省の調査によれば、2023年時点で約69,123人が日本語指導を必要としているとのことです。この数は前回調査から18.6%の増加を示しています。
緊急のニーズに応える教材
教育現場では、新しい言語を学ぶ上でのハードルとして「授業内容の理解が追いつかない」という声が多く聞かれます。160時間程度の初期日本語指導を受けても、語彙理解や文法、読み書きの力が不十分な生徒が一定数存在します。これが学習意欲の低下や質問ができない状況を引き起こし、教員も手をこまねくことが多いのです。
こうした状況を受けて、SUNは「授業だけでは足りない日本語の基礎力を、いつでもどこでも学べる形でサポートしたい」との願いから、本教材を開発しました。この『くらしスタディ for beginners』は、長期休暇中の宿題や自習、道徳の時間にも活用できるため、学校での教育を大いに支えます。
教材の特長
1. ステップごとの学習
「くらしスタディ for beginners」では、ひらがなやカタカナの書き方や発音も学べるため、正確な文字の習得が可能です。書き順をガイドにした教材設計で、初心者にも配慮されています。
2. 基礎漢字の収録
小学校で学ぶ漢字が多く収録されており、2025年7月現在では、小学校1~6年生に対応した漢字を学び直すことができます。
3. 文法問題の豊富さ
N5・N4相当の文法問題が多数用意されており、生活や教科で使う基本文法を反復学習できます。これにより、授業内容の理解を助け、学習効果を高めることが期待されます。
4. ゲーム感覚の学習
全6レベル・204ステージ、総計4,080問の問題に挑戦することで、楽しみながら学べます。達成感を持ちながら教育を受けることができるのも魅力の一つです。
5. 進捗管理システム
教師や管理者が学習進捗をリアルタイムで把握できるシステムを搭載しており、生徒個々の学習状況を確認して適切な指導を行うことが可能です。
教育現場での活用
この教材は、様々な学習シーンで活用されています。授業中の副教材としての利用や、道徳の授業での個別の学習、自習時間や長期休暇中の宿題としても非常に有効です。
導入実績としては、江戸川区立西小松川小学校で家庭学習の習慣化や日本語指導の補助教材として活用されており、大阪府立福井高等学校では、長期休暇中の学び直しに使われています。 導入校の先生方からは「日本語指導の時間以外での利用ができる事がとても助かる」との好評も寄せられています。
未来の学びを支える
日本語教育関連サービスとしても、世界20カ国で累計19万ダウンロードを達成した「くらしスタディ」アプリや、外国人社員向けのオンライン日本語学習サービス「はなすプラス」などを提供しているSUN株式会社。
今後も彼らの取り組みが、より多くの外国籍児童生徒そしてその家族に、より良い学習機会を提供することを期待しています。