いすゞ自動車の新型トラック「ギガ」に搭載された技術が安全性を向上

いすゞ自動車の新型「ギガ」におけるセンシングコア技術の革新

住友ゴム工業株式会社は、独自のソフトウェア技術「センシングコア」を使用して、モビリティ社会の多様な課題を解決するための試みを進めてきました。この技術が、国内の自動車メーカーに初めて採用されることとなり、いすゞ自動車の新型大型トラック「ギガ」において、車輪脱落予兆検知機能が標準装備される運びとなりました。新型「ギガ」は2025年10月30日から開催される「Japan Mobility Show 2025」で初めて披露される予定です。

センシングコアの技術概要

センシングコアは、タイヤの回転によって得られる車輪速データと、車両の制御情報であるCANデータを解析することで、タイヤの空気圧や摩耗状態、荷重、路面状況、さらには車輪脱落の予兆を検知することが可能です。このたび新型「ギガ」に搭載された「車輪脱落予兆検知」機能は、走行中にホイールナットの緩みを素早く検知し、異常が発生した際にはドライバーに警告を発します。これにより、従来の点検に比べ、走行中の安全性が大幅に向上し、車輪脱落事故の未然防止に寄与することが期待されています。

車輪脱落予兆検知イメージ図

安全性向上に向けた取り組み

住友ゴムの執行役員である朝倉健氏は、新型「ギガ」にセンシングコアが搭載された喜びを述べ、モビリティ社会の発展に向けた取り組みを強化していく意向を表明しました。特に、センシングコアは「最高の安心とヨロコビ」を提供し、ビジネスや物流の効率向上にも寄与するでしょう。

新型「ギガ」の特長

新型「ギガ」は、経済性、快適性、安全性、積載性、安定稼働を高いレベルで実現した大型トラックです。また、自動運転時代を想定した高度なアシスト制動と操舵機能が組み込まれており、業界標準を超えた安全性能を備えています。新しいキャブデザインは、顧客のビジネスニーズに応えるよう設計されています。販売目標台数は年間12,000台と設定されています。

車輪脱落事故の現状と対策

国土交通省によると、2024年には大型車の車輪脱落事故が120件発生し、特に冬タイヤへの交換後に多く確認されています。死亡事故も発生しているため、タイヤや車両整備における適正な点検が求められていますが、ドライバーが走行中にナットの緩みに気付くのは難しいのが現実です。この技術が普及することで、業界全体の安全基準が一層向上することが期待されます。

住友ゴム工業は、これまでに培ったタイヤ技術を基に、センシングコアの開発を進めており、次世代のモビリティ社会においてもさまざまな価値を提供していく構想を持っています。この最新の技術によって、運転中の安全性だけでなく、運転手のストレスの軽減にも寄与することが期待されています。

いすゞ自動車の新型「ギガ」に搭載されたセンシングコアは、未来の交通安全を支える大きな一歩となるでしょう。