新潟市が切り拓く保育士確保の未来
保育士不足が全国的な問題となる中、新潟市が踏み出した先進的な取り組みが注目を集めています。2025年3月28日、キャリアフィールド株式会社と新潟市、新潟青陵学園、新潟市私立保育協会が連携協定を締結。この協定は、単なる人材確保にとどまらず、長期的な視点での保育士育成と持続可能な保育環境の構築を目指しています。
協定の基本理念
新潟市の新たな試みは「育て、つなぎ、支える」を基本理念に掲げています。自治体、保育士養成校、保育協会が一体となり、保育士不足の解決に取り組むこのモデルは、全国でも初めての試みです。新潟市はすでに質の高い保育を提供しており、1歳児の保育士配置基準を3:1に設定。今後の取り組みがどのように更なる発展を遂げるのか、注目が集まります。
施策のポイント
具体的な施策には、コストを抑えた人材確保策や中高生・保育学生に対するキャリア教育支援が含まれています。人口減少や少子化が進む中、持続可能な保育士確保が必要とされています。魅力的な条件を提示するだけでは問題解決には至らないため、教育機関との連携を強化しています。
1.
コストをかけない人材確保策:高額な人材紹介手数料による経営圧迫を解消するため、持続可能な策の模索が進められています。
2.
学生向けキャリア教育支援:地域の育成→就業の流れを強化し、離職率の低下を目指しています。地域で認知・育成・就業の一貫したサイクルを構築します。
3.
社会人向けキャリア支援:保育士資格取得支援制度により、在職中の社会人にも新たなキャリアの道を提供します。
新潟市の保育人材確保の課題
新潟市は保育士の手厚い配置がなされているが、保育士養成機関は4年制大学2校、短大1校と限られており、地元育成には課題があります。特に東京圏への人材流出が深刻で、地元出身の学生が他地域に流れることで保育士不足が進行しています。このままでは将来的に地域の保育を支える主力が失われかねません。
三位一体モデルによる解決策
「育成→定着→地域活性化」のサイクルを地域内で育てていく三位一体モデルが採用されています。自治体と保育士養成校、保育協会の連携を強化し、人材の育成から支援までを一環として行う仕組みが整っています。この取り組みが全国的なモデルケースとなることが期待されています。
今後の展望
保育士不足に直面する全国の自治体に対するモデルケースとなることを願って、取り組みは続いています。新潟市からスタートする持続可能な人材育成のモデルが、日本中の地域社会に浸透していくことを期待しましょう。