夫婦の共同作業で生まれた新たな食の物語
人気画家・山口晃氏とその妻である梅村由美氏の共著による食をテーマにしたエッセイ、『ヒゲのガハクごはん帖』が2025年10月6日に発売されます。本書は、二人の温かい日常や旅行先での思い出を、皿の上の料理やその背後にあるストーリーと共に描いた作品です。
妻の視点からの“逆襲”のエッセイ
梅村由美氏は、山口晃氏のエッセイ漫画『すゞしろ日記』において、一貫して「理不尽なカミさん」として描かれてきましたが、今回彼女は自身の言葉で食を通した夫婦の愛情を表現しています。この本は、20年にわたる彼女の耐え忍び続けた生活の一端を見せる“逆襲”的な内容とも言えるでしょう。
読者は、梅村氏のインサイトを通じて、食への細やかなこだわりを持つ夫・ヒゲのガハクとの日々のやりとりを楽しむことができます。自宅での家庭料理や訪れたお店、さらには旅行先での特別な食体験など、彼らの日常はまさに「ネタの宝庫」です。
17篇のストーリーが織り成す食への旅
『ヒゲのガハクごはん帖』には、2022年11月から始まったウェブメディア「MON ONCLE」での連載から選び抜かれた17篇が収められています。内容は、家庭の食事から外国のレストランでの特別な一皿まで、テーマが多岐にわたり、内容の濃いエッセイが展開されています。
目次には、「ある日のガハクのごはん帖」や「お弁当日記――夏の長野の5日間」、「記憶で巡るヴェネチアごはん」などが並び、そのどれもが独特なストーリーを持っています。それぞれのエピソードが、夫婦の笑いあり、涙ありの生活を浮き彫りにし、読み進める中で料理の魅力を再確認させてくれます。
魅力的な挿画がさらに情緒を深める
本書には、山口氏の独特な挿画が160点以上も収められています。挿画は全てモノクロですが、一つだけカラーで描かれた作品もあり、これが読者に強い印象を与えることでしょう。
其々のエッセイに合わせた挿画は、二人の食体験の感情を豊かに表現しており、梅村氏の文章に対して山口氏が描く別の視点を示していることが大きな魅力です。この強いコラボレーションが、読者に対して一層の感動を提供しています。
書籍情報
本書の詳細は以下の通りです:
- - 書名:『ヒゲのガハクごはん帖』
- - 著者:文/梅村由美、画/山口晃
- - 発売日:2025年10月6日(目らい月曜日)
- - 定価:2,310円(10%税込)
- - 判型・ページ数:A5判・208ページ
- - ISBN:978-4-08-781766-9
この素敵なエッセイ集は、食事を愛するすべての人に手に取ってほしい一冊です。動きのある日常が豊かに描かれた本書が、どんなにか温かい気持ちをもたらしてくれることでしょう。