企業の生物多様性保全への貢献を評価する新たな取り組み
公益財団法人日本自然保護協会(NACS-J)は、地域全体を見据えた生物多様性保全の取り組みを行う企業の貢献を評価し、ネイチャーポジティブ貢献証書を発行することで、それを公的に証明することを目指しています。この度、6社の企業がこの評価を受け、2024年度の貢献証書が発行されました。この取り組みは、生物多様性保全の努力を認め、企業が持続可能な社会に貢献する足跡を可視化するための重要なステップと言えるでしょう。
ネイチャーポジティブ貢献証書とは
この貢献証書は、企業が地域の生態系に対するポジティブな影響を与えているかどうかを評価するもので、特に生物多様性に関連する活動が重視されます。評価は専門家の協力を得て、科学的な知見に基づき定量的かつ包括的に行われ、企業の取り組みが世界目標や地域の目標にどれだけ寄与しているのかを明確に示します。
評価のプロセス
NACS-Jの取り組みは、単に目標を達成するだけでなく、地域社会と連携し、調和を図ることが求められます。企業は、自治体と連携した上で、地域全体の生物多様性を守るための計画を策定し、それに基づいた行動を実行しています。
発行された企業とその貢献
以下は、2024年度に貢献証書を受けた6社の概要です。各企業の取り組み内容も詳細に評価され、公的に証明されています。
生物多様性が重要視される地域において、自然再生や外来種の駆除を行っています。
小矢部市における生物多様性の現状評価や、重要地域の保全計画を策定しています。
- - JESCOホールディングス株式会社(那智勝浦町)
那智勝浦町全域の生物多様性評価や重要地域の特定を進めています。
生物多様性が重要な地域での自然再生に取り組んでいます。
自然再生に向けた物的支援を行い、地域の生物多様性を保全しています。
人工林の自然再生や絶滅危惧種の保全、地域全体の取組計画を策定しています。
企業の役割と地域社会との連携
生物多様性は地域ごとに特有な条件によって異なるため、各地域を基盤にネイチャーポジティブの実現が必要不可欠です。企業が地域社会と連携し、流域や景観スケールでの取り組みを進めることが、持続可能な未来を築く上で重要とされています。
近年では、企業の社会的責任にも高い関心が寄せられており、特に生物多様性保全に関する事業が評価される傾向にあります。
今後の展望
NACS-Jは、これからもランドスケープアプローチを通じて、生物多様性の保全や再生に取り組む企業に貢献証書を発行し続ける予定です。この取り組みが、企業の社会的責任を理解し、地域との関わりを深めるきっかけになることを期待しています。
企業が嵌るべき要件には、地域での連携や生物多様性に配慮した行動が含まれます。今後、さらに多くの企業がこの流れに参加し、地域の生態系保護に貢献することが期待されます。
お問い合わせ
興味のある企業や自治体は、NACS-Jに問い合わせをすることができます。日本自然保護協会は、地域の生物多様性を守るために、さらなる協力を求めています。
【連絡先】
日本自然保護協会
Tel: 03-3553-4101
Email:
[email protected]
〒104-0033 東京都中央区新川1-16-10 ミトヨビル2F
生物多様性の保全は、未来のために我々全員が関与する重要なテーマです。企業と地域の協力によって、持続可能な社会を築くための一歩を踏み出しましょう!