日本の犬の殺処分問題が大きく取り上げられる中、ピースワンコ・ジャパンが徳島県と新たな協力の一歩を踏み出しました。2025年3月24日、徳島県の後藤田知事とピースワンコ・ジャパンの大西代表理事が締結した「動物愛護・福祉の推進等に関する協定」は、犬の保護と譲渡活動を通じて、殺処分ゼロを目指す動きを強化するものです。
この協定は、特に殺処分の対象となる犬を保護し、新たな家族に譲渡することを主な目的としており、ピースワンコがこれまで広島県で積み重ねてきた実績を生かす形です。広島県では、ピースワンコ設立以降の9年間、殺処分機の稼働を停止し、約4,800頭もの犬を譲渡してきた成果があります。これを徳島県でも実現させることが期待されています。
具体的な活動内容としては、以下のような項目が挙げられます。
1.
殺処分対象の犬の保護活動: 徳島県内での犬の保護を強化し、保護した犬が新しい家族と出会えるよう取り組みます。
2.
保護犬のトレーニング: 野犬を人懐っこくするためのトレーニングノウハウを提供し、譲渡時のハードルを下げます。
3.
譲渡促進: 保護犬の譲渡を促進するための啓発活動も積極的に行います。
4.
啓発活動: 犬の殺処分問題について広く知ってもらうため、意識向上に向けた啓発を進めます。
5.
ペット防災の連携: 災害時のペット同行避難や防災活動においても、連携を強化し、様々なリスクに備えます。
協定の締結にあたり、両者の強い意志が感じられます。ピースワンコの大西代表は、「1頭でも多くの犬を救い出し、幸せにするために、殺処分という制度がなくなるその日まで、諦めずに歩み続けます」と語っています。また、全国の犬の殺処分数は現在2,118頭ですが、過去10年間のデータに基づくと減少傾向にあるものの、四国地方では依然として多くの犬が殺処分されている現状があります。
今回の徳島県との連携によって、さらなる犬の保護や譲渡が可能になるだけでなく、地域の保護団体とも協力し、より効果的なアプローチが期待されます。具体的な活動の開始時期や進捗については今後の発表を待つことになりますが、ピースワンコとしての理念を基にした活動が、地域にどのような変化をもたらすか注目が集まっています。
さらに、ピースワンコ・ジャパンは、南海トラフ地震を想定した災害時の連携協定も徳島県と結んでおり、災害発生時のペットの保護も視野に入れた幅広い支援に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、動物福祉の向上だけでなく、地域全体の環境改善にも寄与することを目指しています。これからの活動が日本の犬たちにとって、より良い未来を切り開くことに期待が寄せられています。