水発電を活用した新たなIoTセンサーシステムの展望
株式会社テクサーと藤倉コンポジット株式会社が共同で開発した新しいセンサーシステムが、注目を集めています。このシステムは、藤倉コンポジットが持つマグネシウム空気電池技術を駆使し、水との接触によって電力を生成します。テクサーが推進する次世代LPWA通信規格「ZETA-G」との連携により、外部電源なしで稼働するバッテリーレスのIoTセンサーを実現しています。
開発の背景
昨今、スマートビルディングや社会インフラのデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、センサーを大量に設置する際に「電源確保」や「電池交換の負担」が大きな課題となっています。これらの問題を解決するため、テクサーは展示会やビルディング関連のシステム開発を通じて低消費電力、長距離通信を実現する「ZETA-G」の活用を推進。一方で、藤倉コンポジットは、長年の経験を基に、水との接触で発電するエネルギーハーベスティング技術を独自に開発してきました。両社はそれぞれの技術を融合させ、信頼性の高い新しいIoTインフラを構築することを目指しました。
技術的特長
このセンサーシステムの特長は、主に以下の4点に集約されます。
1.
自立駆動のエネルギーハーベスティング技術:直接水と接触することで発電が開始され、生成された電力で無線通信を行います。これにより、電池交換の手間が省け、保守コストを大幅に削減可能です。また、廃棄電池が減少し、環境への負担も軽減されます。
2.
高速な検知・発報性能:液体との接触から発電、通信まで、わずか約8秒で完了。迅速な応答が求められる状況でも安心です。
3.
長距離かつ安定した無線通信:微小電力のみを利用して、通常では難しい長距離通信を実現。特に屋外での通信距離は最大1.2kmに達し、ビル内においても上下階間での安定した通信が確認されています。
4.
高信頼なサプライチェーン通信:通信モジュールには国内製の半導体チップを使用し、安定した供給と信頼性を兼ね備えています。
期待される利用分野
このシステムは、特に以下のような用途での活用が想定されています。
- - 電源確保が困難なビル設備の漏水監視
- - データセンターでの配管や冷却系の漏液監視
- - トンネルや地下施設における浸水監視
- - 河川や用水路の遠隔監視
- - 工場設備の広域監視
今後の展望
今後、テクサーはこのシステムの社会実装を進め、ビルディングDXや社会インフラ監視の分野における活用をさらに広げていくでしょう。また藤倉コンポジットの技術を活かし、低コストでの大量導入が可能な「シート型センサー」の商品化を目指しています。これにより、持続可能で効率的な次世代社会インフラの構築に貢献していきます。両社の連携は、今後のIoT環境に大きな影響を与えると期待されます。
会社概要
株式会社テクサー
- - 所在地:東京都多摩市鶴牧1-1-14 コージィーコート2F-1
- - 資本金:1億円
- - 事業内容:展示会DXシステムの開発・販売、ビルディングDXシステムの開発・販売、LPWA関連製品の開発・販売
- - URL: techsor.co.jp
藤倉コンポジット株式会社
- - 所在地:東京都品川区西五反田8-4-13 五反田JPビル4F
- - 資本金:38億429万円
- - 事業内容:工業用ゴム部品、空圧制御機器、医療用部材、CFRP製品の製造・販売
- - URL: fujikuracomposites.jp