不登校を希望に変える特別講座
2025年7月20日、東京都に本社を持つ株式会社NIJINが運営する『NIJINアカデミー』校長の星野達郎氏は、愛知サマーセミナー2025において「不登校を希望に変える」というテーマで特別講座を催しました。この講座では、「不登校=才能」と言う新たな視点から、社会や教育の仕組みを問い直し、多世代の参加者と一緒に100分間の対話とアイデアソンが行われました。
「不登校を問題視するのではなく」
星野校長は冒頭の講演で、不登校をネガティブに捉えるのではなく、子どもたちの才能と受け取る重要性を強調しました。「子どもたちは『まだ行きたいと思える場所に出会っていない』だけなのかもしれない」との見解を示し、「不登校」という言葉自体が時代に合わないのではないかとも述べました。
参加者全員による対話の結果
講座では、参加者全員が不登校に関連する問題を以下の5つの領域に整理しました。
1.
教育システム - 出席日数や単位制など、制度がもたらす影響。
2.
家族の負担 - 食事や感情のケア、子どもへの付き添いなどの負担。
3.
学習の保障 - 学びが遅れていく不安。
4.
周囲の目 - 特に年配世代からの教育観。
5.
社会性の涵養 - 友達を作ることが出来るか、人と関わることが出来るか。
これらの問題をネガティブに捉えるのではなく、社会の仕組みを見直すことで改善できるのではないかという考え方が対話を通じて浮かび上がりました。
グループ対話から生まれた革新的なアイデア
参加者は関心のあるテーマごとにグループを形成し、具体的なアイデアを深めました。最終的に発表されたアイデアの一部を以下にご紹介します。
- - 母ロボットの開発 - 家事や学習を補助するヒューマノイドの導入。
- - 不登校理解促進アプローチ - 年長者向けの教育方法。
- - 選択式教育制度 - 学区を撤廃し、各自が自分に合った学校を選ぶ仕組み。
- - オンライン義務教育 - 学習方法の選択肢を広げる制度設計。
これらの提案は抽象論ではなく、現実的に実現可能な都市設計の前向きな案として討議されました。「合理的で実行可能」だと参加者の中には感じた人も多く、新しいアイデアに触発された様子が伺えました。
未来に向けたエネルギーを感じた瞬間
「社長と校長を兼任し新規事業を進めながら授業を行うのは大変だと感じていました。しかし、多世代の生徒たちとの対話を通じて、さまざまなアイデアをもらい、未来に楽しみを感じることができました。この機会を作ってくれた運営の皆様、参加者の方々に感謝したいです。」と星野校長は締めくくりました。
NIJINアカデミーの概要
2023年9月に開校したNIJINアカデミーは、不登校の小中学生を対象にしているオルタナティブスクールです。全国36以上の都道府県から500名以上の生徒が入学しており、2024年9月にはリアルな学びの場も提供される予定です。教育のカリキュラムは「多層的な心理的安全性」「対話的な授業」「子ども主体のプロジェクト」に基づいています。これにより、「学校に行けないことが劣等感や罪悪感につながらない」よう工夫されています。特に希望を持つ生徒の90%以上が、在籍する学校の出席認定を獲得しています。(2025年7月現在)
さらに詳しいレポートや参加者の感想は、NIJINアカデミーのオウンドメディアでもご覧になれます。