デザイン経営とデザイン思考の認知度、企業の実態と期待される効果
株式会社ビビビットが行った意識調査によると、「デザイン経営」と「デザイン思考」に対する日本企業の認知度が非常に低いことが明らかになりました。調査に参加した3,347社のうち、65.4%が「デザイン経営」を知らず、50.4%が「デザイン思考」を認知していないとの結果が出ました。このような状況は、日本企業におけるデザインの重要性を改めて考えさせられるものです。
認知度とその背景
この調査結果は、日本の経営陣やマネージャー層に対してデザインに関する情報が十分に共有されていないことを示しています。特に、「経営・マネージャー層」よりも「経営企画、人事系」の職種でデザインに対する認識が高い傾向があることが分かりました。このことは、デザインに対する理解や実行が企業全体に浸透することの難しさを示しています。
導入状況とその障壁
「デザイン経営」や「デザイン思考」を実際に導入している企業は、全体の15%未満と非常に少数派です。この中には「既に取り入れている」と「試行的に取り入れている」との回答が合算されていますが、導入の割合は低いといえます。特に、大企業では投資対効果の不透明さが導入に対する障壁として挙げられる傾向が見受けられます。
導入企業の成果
それでも、実際に「デザイン思考」を経営に取り入れた企業の中では、70%以上が売上や利益の増加を実感しています。このデータは、デザインがもたらす効果を体感している企業が多いことを示しており、今後の期待を持たせる結果となっています。特に、製品・サービスの開発の向上を実感した企業は86.8%に達しており、デザイン思考がもたらすイノベーションの可能性が感じられます。
企業イメージとデザイン経営
「デザイン経営」をうまく実践している企業としては、有名なアップル、ソニー、トヨタなどが挙げられます。これらの企業は、デザインがその製品の価値を高める要素であることを理解し、実践しています。一方で、オンラインサービスを提供する企業なども上位にランクインしており、無形商材においてもデザインの重要性が認識されていることが伺えます。これは、デジタル化が進む現代において、デザインが競争優位性をもたらす重要な要素であることを再確認させます。
今後の展望
株式会社ビビビットの代表、小宮大地氏は、「デザイン経営」が今後ますます重要視されるとコメントしています。デザインに確固たる理解を持ち、それを経営に取り入れることで国際競争力を強化していく必要があるとの考えを示しています。また、今回の調査結果は、デザインを取り入れることで業績向上につながっている企業が多く存在することを証明しています。
まとめ
デザイン経営やデザイン思考の認知度は低いものの、それを実践している企業はその効果を実感していることが明らかになりました。今後はより多くの企業がデザインという視点を経営に取り入れることで、さらなる成長が期待されます。ビビビットも引き続きデザインの力を広めていく活動を進めていくことでしょう。
この調査結果は、デザインが企業の成功にどのように寄与するかを考える上での重要な指標となりそうです。