高卒社会人の転職意識、約4割がニーズを持つ実態とは

高卒社会人の転職ニーズに関する調査

最近行われた調査によって、高校を卒業した若者の転職に対する意識が明らかになりました。この調査は、高校生の就職を支援する『ジンジブ』が実施したもので、18歳から26歳までの高卒者800名を対象に実施されました。

調査概要

調査は2024年10月21日から28日の間にウェブ上で行われました。結果は以下のようにまとめられています。まず、現在民間企業で正社員として働く高卒の社会人は約6割、一方で転職を考える人は約2割強にとどまり、社内異動を経験した人は年収アップの傾向が見られました。その中でも転職ニーズは38.4％に及びました。

転職のニーズ

調査において、特に高卒者の約4割が転職を希望していることが示されました。しかし、転職活動のハードルとして、情報不足や自己理解の不足が挙げられ、高卒社会人に対する個別サポートの必要性が浮かび上がっています。実際に転職エージェントの利用率はわずか17%に留まり、先行きへの不安が多くの人に影響を与えているようです。

進路別キャリアの現状

調査対象のうち、605名が「働き始めた」と答えており、彼らの48.6%はそのまま同じ職場で働き続けています。特に民間企業に正社員として就職した人々の59.6%は現在もそのままの職に留まっていますが、転職経験者は17.3%でした。また、アルバイトとして働く人の中では42.2%が転職せずそのままアルバイトで働く傾向があり、正社員としてのキャリア形成につながるケースは少ないことが分かります。これに対して進路未決定の90人のうち、55.6%が現在未就業という結果も注意が必要です。

年収の傾向

年収に関しては、高校卒業後に民間企業にて正社員として勤めている人たちのボリュームゾーンが300万から399万円で、転職をした人の方が高収入を得やすい傾向があります。特に転職を経験して3社目以降の年収が下がる傾向が見受けられる一方で、同じ企業内で異動を経験した人は年収アップすることが多いとされています。

転職活動の実情と山積するハードル

今回の調査結果からは、全体の38.4%の高卒社会人が転職を考えていることが分かりますが、実際には転職活動を行っているのは17.8%に留まる状態です。このような現実から、多くの人が転職志望を持ちながら行動に移せていないことが伺えます。特に、理由として「自分に合う職業が見つかるか」が33.1%と最も高く、その次に「自分に合う会社が見つかるか」が29.7%となっていることから、やはり高卒者のキャリア選択に対する不安が色濃く残っていることが分かります。

まとめ

高卒社会人の転職ニーズは一定数見受けられるものの、その実態は「情報不足」や「自己理解の欠如」といったハードルが障壁になっており、実際の行動にはつながっていないようです。今後高卒者に向けたより具体的なサポートや、キャリアカウンセリングの導入が求められるでしょう。また、企業側も「第二新卒者」という層に対しての理解と支援を充実させることで、さらなるキャリア形成を支援する動きが期待されます。