『少年ジャンプ』の伝説の編集長が明かすヒットの秘訣
日本の漫画界を牽引し、数々のメガヒットを生み出してきた鳥嶋和彦氏が、その裏側に迫る書籍『ボツ』を5月22日に発表しました。著者である鳥嶋氏は、『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』など、漫画やアニメ、ゲームに深く関わった編集者として知られています。本書は、彼の「嫌われる仕事術」を通じて、どのようにしてヒット作品が誕生したのかを探ります。
超人気作の誕生秘話
鳥嶋氏の描く物語は、単なる成功談ではありません。彼が携わった作品の数々には、失敗やプレッシャー、試行錯誤の歴史が詰まっています。たとえば、一世を風靡した『ドラゴンボール』が人気を失いかけた際、彼は即座に「天下一武闘会」という新たなストーリー展開を提案し、その結果として作品は見事に立て直されました。このように、独自の視点から誕生する新展開が、ヒットの原動力となっています。
さらに、ゲーム『ドラゴンクエスト』がアニメ化され、そこから派生した『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の話も心に響きます。上司の一言に激怒した鳥嶋氏は、小さな発信からメガヒットを生んでいく過程を振り返ります。
厳しい現実と失敗からの学び
本書では、鳥嶋氏自身が直面した数々の逆境も描かれています。「締め切りに絶対遅れるな!」という厳しい姿勢のもと、全ての連載作家に対して家庭訪問を行なっていたり、ヒットを出せなかった編集者は他部署へ異動させられるといった過酷な現実が描かれています。しかし、彼の厳しさの裏には、愛情と情熱があったことを感じさせるエピソードが多数あります。
伝説のメンバーたちの証言
著者が注力したプロジェクトには、影響を受けたクリエイターたちの声も紹介されています。例えば、ゲームデザイナーの堀井雄二氏や漫画家の桂正和氏、稲田浩司氏など、過去に彼の指導を受けた著名なクリエイターたちが、「マシリト被害者の会」として彼の言動に対するコメントを寄せています。これらの証言を通じて、鳥嶋氏の影響力や求心力を知ることができます。
書籍の構成と内容
本書は、『ドラゴンボール』の誕生から始まり、さらには『ONE PIECE』の連載決定の経緯や『Dr.スランプ』アニメ化時の失敗についても詳述されています。各章には、ヒット作がどのようにして生まれたのか、詳細なストーリーが語られ、読者を魅了します。
そして、巻末には収納された特別章があり、鳥嶋氏の「キミを変えるかもしれない」極意も密かに語られています。
最後に
『ボツ』は、少年ジャンプを通じて夢中になっていた全ての元少年たちに贈る、一冊の劇薬です。過去のヒット作がどのように生まれ、成長していったのかを知ることで、現在のクリエイターやこれからの夢を持つ人々にも刺激を与えることでしょう。
この機会に、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
著者のプロフィールは、1960年東京生まれで、1976年に集英社に入社。その後、数々の名作を手掛け、日本の漫画界に多大な影響を与えたことから、長年に渡りその第一線で活躍しています。
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『ボツ』書籍情報