株式会社Guardian(ガーディアン)は、2024年6月18日に発表された京都商工会議所主催の第15回「京都・知恵アントレ大賞2024」において、「特別賞」を受賞しました。同社が開発した児童・生徒のSOSコミュニケーション支援システム「kimino micata(キミノ ミカタ)」の取り組みが評価されたのです。
選定理由として、児童・生徒のいじめ認知件数や不登校の増加という深刻な現状を受け、同社のシステムが「生徒ファースト」の視点で設計されている点が挙げられています。アンケート調査を通じて、児童・生徒が安心して自分の声を届けられる環境を提供し、早期に問題発見・対応につなげることが期待されています。
「kimino micata」は、オンラインアンケートやSOS相談ボタンを通じて、生徒のSOSやアラートを学校内の特定のチームや外部の相談機関に知らせる仕組みです。欧米の事例も参考に、日本の教育現場における子どもの権利尊重を重視した設計となっており、児童虐待やいじめなどの問題解決に向けて、教職員の負担軽減と、より多くの時間を児童・生徒の問題解決に割くことができる環境づくりを目指しています。
同社の代表取締役であるプーザー・ケイトリン・エリン氏は、英国リバプール出身で、日本に来たきっかけはJETプログラムでのALT活動でした。2019年に起きた栗原心愛さんの事件をきっかけに、児童虐待の問題に深く関心を抱き、子どもたちの権利を守るため、このシステム開発を志したといいます。
「kimino micata」は、子どもたちが安心して回答できる環境づくり、多角的な質問による隠れた問題の発見、教職員の負担軽減など、多岐にわたる工夫を凝らした設計となっています。現在、2024年度のパイロット導入校を募集しており、学校現場からの期待が高まっているようです。
「kimino micata」は、児童・生徒のSOSをいち早くキャッチし、問題解決に繋げる画期的なシステムです。従来のアンケート調査では、生徒が自分の気持ちを正直に伝えられない、教職員が膨大なデータの分析に追われるといった課題がありました。しかし、「kimino micata」は、生徒の立場に立った設計と、教職員の負担軽減を実現することで、これらの課題を克服しています。
特に、生徒が安心して回答できる環境づくりに力を入れている点は高く評価できます。生徒が自分の意見を自由に表現できることは、問題解決の第一歩であり、より安全な学校環境づくりのためには不可欠です。
「kimino micata」が、多くの学校に導入され、児童・生徒の安全と安心を守るシステムとして活用されることを期待しています。また、同社の取り組みが、社会全体で児童虐待やいじめ問題に対する意識を高めるきっかけとなることを願っています。